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世界初!石油を内包するシリカコンクリーションの成因を解明

当館企画調査委員で名古屋大学博物館の吉田英一教授が中心となり、当館の西本昌司主任学芸員が参加する研究グループが、アメリカ・アリゾナ州で、石油(瀝青油)を閉じ込めたシリカ(珪酸、SiO2=ガラスの主成分)の球状コンクリーションを発見。詳しく調査したところ、湖底に積もった魚の糞(有機物)のまわりに、地下水に溶けていたシリカ(SiO2)が短時間のうちに沈殿してできたたことを、世界で初めて突き止めました。

 

シリカコンクリーションさんじょう.jpg

 

これまで、炭酸カルシウムや酸化鉄を主成分とする球状コンクリーションの成因は明らかとなっていましたが、シリカを主成分とするコンクリーション成因については謎に包まれていました。今回の研究によって、シリカの濃集に、生物起源の有機物の腐食とそれに伴う中和反応が不可欠であることが明らかになりました。

この研究成果は、岩石中の亀裂や空隙などを通る地下水の水みち閉塞技術への応用や、人類史において石器として利用されてきた重要な石材(フリント)に関する考古学上の新発見につながる可能性があります。

 

写真2:シリカコンクリーション産状.jpg

 

詳しくは、http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20210225_num1.pdf

を参照ください。

この研究に用いたサンプルを、当館生命館2階で本日より展示します。

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