名古屋市科学館

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第35回 古川為三郎サイエンス講演会

  期 間 : 2015/01/25(日)~ 2015/01/25(日)

「渦巻銀河に魅せられて」

銀河天文学(理論)の分野で長く活躍されている沢 武文 氏をお招きして、下記のとおり講演会を開催します。

 35_古川為三郎サイエンス講演会ちらし.jpg

日時

平成27年1月25日(日曜日)

午後2時00分から午後4時00分(午後1時30分開場)

会場

名古屋市科学館 生命館 地下2階 サイエンスホール

講師

愛知教育大学教育学部特別教授 ・沢 武文(さわ たけやす) 氏

古川画像.jpg

 

 定員

300人(応募者多数の場合は抽選)

参加費

無料

(ただし、高校生以上は観覧料が必要です。)

応募方法

申込終了致しました。

問い合わせ

〒460-0008

名古屋市中区栄二丁目17番1号

名古屋市科学館「古川サイエンス講演会」係

TEL 052-201-4486

FAX 052-203-0788

取得した個人情報は本事業の運営目的以外には使用しません。

詳細

 天体の中で、その姿が最も美しいものの一つに渦巻銀河があります。なぜ、銀河はあのようなきれいな渦を巻くのでしょう?
 銀河を構成する星々は、銀河中心の周りを、内側ほど早く1周するような差動回転をしています。そのため、かき混ぜたコーヒーの中に垂らしたミルクのつくる渦のように、内側から巻き付いていく渦巻構造を簡単につくることができます。そして、最も有力と考えられていたのが、磁場によるガスの閉じこめで、それが銀河回転により巻き込んで渦巻構造をつくるというものです。しかし、銀河回転による巻き込みの渦は、銀河が数回転する間にきつく巻き付きすぎてしまうという「巻き込みの困難」が生じ、多くの研究者を悩ませていました。1950年代のことです。これを解決したのが、重力による密度波理論です。渦巻腕をつくる星やガスは絶えず入れ替わっており、星の数密度の高い部分が波として、形を変えずに銀河回転よりゆっくりと回転しているとする説です。この考えを導入すると、渦巻腕では星が周りより多く集まっており、そのため重力が強くなり、銀河回転しているガスを引き寄せ、衝撃波を発生させます。衝撃波により、ガスは圧縮され、そこで多くの星が生まれ、渦巻銀河は明るく輝くのです。これにより、巻き込みの困難は解決されたと思われました。1960年代のことです。しかし、1970年代に入って渦巻銀河の磁場の観測が盛んに行われるようになり、銀河磁場は渦巻腕に沿っていることが明らかになってきました。銀河磁場はガスを閉じこめるため、再び巻き込みの困難が顔を出したのです。
 今回の講演では、このような渦巻銀河に関する研究の流れと渦巻構造について、ご自身の研究内容も交えてお話ししていただきます。

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