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2月の人気実験総選挙

 

みなさん実験してますか〜!?実験強化年度※真っ最中!!学芸員の山田こうすけです。

 

月イチ恒例サイエンスショー「こうすけハカセの人気実験総選挙※」を2月17日(土曜日)と18日(日曜日)に行いました。(※実験強化年度?人気実験総選挙?なにそれ??という方は学芸員NOW「5月の人気実験総選挙」の記事を読んでね!

今月のテーマは「動物」です。と言っても、生きている動物を使って実験するのではなく、動物の特徴を学びながらそれをヒントにした実験を行っていきます。

 

まずは投票結果です。サイエンスショーをご覧いただいた皆様に投票いただき、最高4から最低1(4:楽しく勉強になった、3:まだ伸びしろあるね、2:もっとがんばって、1:ぜんぜんつまらない)の点数をつけていただきました。結果は以下の通りです。

 1日目 4:65票 3:30票 2:3票 1:5票 期待値:3.50

 2日目 4:97票 3:25票 2:4票 1:3票 期待値:3.67

 合計  4:162票 3:55票 2:7票 1:8票 期待値:3.60

合計で232名の方にご投票いただき、ありがとうございました。10月から1月までと比べ、平均値ぐらいの結果でした。

次に実験を紹介します。実験の様子の一部は当館公式YouTubeチャンネルにて公開しますので、ぜひご覧ください。→ 公式YouTubeチャンネル

 

< ライオン > ライオンといえば「鋭い歯」が特徴ですよね。この鋭い歯をヒントに「面積と圧力」の関係を実験してみましょう。

実験1:鋭いクギと鋭くないクギ

① 先端の尖った鋭いクギ と ② 先端を切り落とした尖っていないクギ に風船を押し当てると…尖ったクギの方は割れ、尖っていない方は割れませんでした。これはクギの先端の面積によって圧力が変わるからです。①のクギは面積が小さいため圧力は大きくなり、風船に穴をあけ割ってしまうほどの力となります。一方で②のクギは面積が大きいため圧力が小さく、力がかかっても風船に穴をあけられす割れないのです。

実験2:クギイス

①のクギ500本を均等に打ち付けた板を用意します。この板をイスの上に置くと「クギイス」の完成です。1本のクギでは風船が一瞬で割れてしまいますが、500本ではなんと割れないどころか、人間も座ることができます。これはクギ1本1本の面積は小さいですが500本(正確には風船やおしりが触れるクギ)集まると大きな面積になるので圧力が弱まるからです。

 

< イルカ > イルカといえば超音波で魚などの位置を探る「エコーロケーション」が特徴ですよね。このエコーロケーションで使う超音波をヒントに「音と周波数」の関係を実験してみましょう。

実験3:音と周波数

重さや長さと同じように、音の高さも数字で表すことができます。これを周波数と言い、Hz(ヘルツ)という単位で表します。周波数が小さいほど低い音に、大きいほど高い音になります。ショーでは周波数をどんどん大きくしていき、どれぐらいの周波数まで聞こえるかを参加者全員に体験していただきました。

耳の内部には音を感じる細胞(有毛細胞)がありますが、耳の入口に近い細胞は高い音を、入口に遠い細胞は低い音を聞き取っています。この細胞は、年齢を重ね様々な音を聞き取り続けることで消耗していくのですが、入口に近い方=高い音を聞き取る細胞の方が消耗しやすい傾向にあります。そのため実際に実験すると、大人の方が比較的高い音が聞き取れず、子供の方が聞き取れている結果となりました。

 

< ペンギン > ペンギンといえば骨格標本を観察すると「ヒザを曲げたまま立っている」ことが分かります。これをヒントに、私たちが普段何気なく動き出したり、バランスを取ったりしていることに注目して、その秘密を探ってみましょう。

実験4:立ち上がれない!?

背もたれのある椅子に深く腰掛け、別の人におでこを指で押さえてもらいます。その状態から立ちあがろうとしても、うまく立ち上がれませんよね?(力いっぱい立ち上がれば立てますが、いつもと同じようにやってみると立てないはずです。)普段無意識に立ち上がる時、頭を前に持ってくることで重心の位置を体の前の方に移動させ、その勢いで立ち上がっています。つまりポイントは重心の移動です。おでこを指で押さえると頭を前に持ってこられなくなるため、重心が移動できず立ち上がれないのです。

実験5:片足で立てない!?

ついたて(カベでもOK)に右ひじをしっかり付け、右足をなるべくついたてに近づけた状態で左足を上げて方足立ちをしてみましょう。ってムリですよね!(これも頑張れば片足立ちできちゃいますが、体を曲げたり、足をずらしたりせず真っ直ぐ立った状態で実験すると倒れてしまいます。)これもポイントは重心の移動です。右足だけで立とうとすると、体全体が両足で立っている時より少しだけ右側に寄ります。ついたてやカベがあると右側に寄ることができなくなるため、重心の位置が移動できずに左側に倒れてしまう、ということです。

 

さて、実験強化年度も来月で一旦終了!!なのか!?どんな実験で締めくくろうか検討中です!乞うご期待!

 次回の「こうすけハカセの人気実験総選挙」は・・・

 令和6年3月16日(土曜日)午後1時からと、17日(日曜日)午後1時から (30〜40分程度)

 名古屋市科学館 天文館4階 サイエンスステージ (入退場自由、要観覧料)

 ※こうすけハカセの体調等により中止になる場合があります。

次回も、みなさまのご来館をお待ちしております。

  

学芸員 山田厚輔

 

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