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10月の人気実験総選挙

 

みなさん、こんにちは!!学芸員の山田こうすけです。

 

「実験強化年度※」も折り返しを迎え、下半期に入りました!!下半期もパワー全開で実験していきますよ!!と言うことで、月イチ恒例サイエンスショー「こうすけハカセの人気実験総選挙※」を10月21日(土曜日)と22日(日曜日)に行いました。

(※実験強化年度?人気実験総選挙?なにそれ??という方は学芸員NOW「5月の人気実験総選挙」の記事を読んでね!

これまでは異なった科学テーマの実験を4つお見せしていましたが、今月からちょっと雰囲気を変え、ひとつの共通した科学テーマを取り上げて実験を行いました。今月のテーマは「音」です。小学校3年生の理科で習う「音」は多くの方に馴染みのあるテーマですが、あえて「音の基本」に注目し音をまだ習っていない小さなお友達でも楽しめるサイエンスショーを行いました。

そして、先月までは4つの実験の中からその場でみなさんに1位を決めていただきましたが、今月からは全ての実験を通してサイエンスショーに点数をつけていただく投票方式に変えました。最高4から最低1(4:楽しく勉強になった、3:まだ伸びしろあるね、2:もっとがんばって、1:ぜんぜんつまらない)と、リアルなみなさんの評価を教えていただきました。

 

では早速、投票結果を発表します。以下の通りです。

 1日目 4:49票  3:5票  2:2票 1:1票 期待値:3.79

 2日目 4:90票  3:24票 2:5票 1:3票 期待値:3.65

 合計  4:139票  3:29票 2:7票 1:4票 期待値:3.69

まずは合計で179名の方にご覧いただきありがとうございました。そして多くの方にご満足いただけたとホッとしている反面、2や1とまだまだ頑張らなければいけないお声もありましたね。

 

次に実験を紹介します。当館公式YouTubeチャンネルにて公開しますので、もう一度見たい方、見ていない方はぜひご覧ください。→動画はこちら(YouTubeサイトへ)

 

実験1:たいこがふるえる

今回のショーで覚えてほしいひとつ目は「音はモノがふるえることで生まれる」と言うことです。

太鼓を叩くと「ドン!ドン!」と音が聞こえてきますが、これは太鼓をバチで叩くことで太鼓を振るわせ音を生み出しています。しかし目で見ても太鼓が振るえている様には見えませんので、太鼓の上に小さく軽い発泡スチロールを敷き詰めて同じ様に叩いてみましょう。すると発泡スチロールが飛び上がります。つまり、太鼓が鳴る=太鼓がふるえていると言うことがわかるはずです。

 

実験2:空気がなくなれば聞こえない?

次に覚えていただきたいふたつ目は「空気が音をみなさんに伝えている」と言うことです。

それではステージの空気を無くして聞こえなくなるかやってみましょう!といきたいですがそれは無理ですので、代わりに実験用アクリル容器の中の空気を抜いて実験しましょう。

大きな音の代名詞「ベル型目覚まし時計」をジリジリと鳴らせた状態でアクリル容器に入れます。この段階では容器の中に空気がありますからまだ音が聞こえます。ここから真空ポンプを使い徐々に空気を抜いていき、ほぼほぼ空気がなくなると…ジリジリとうるさかった音が聞こえなくなりました。やはり空気によって音が伝わっていた、と言うことがわかりましたね。

 

実験3:パイプで演奏

最後に覚えていただきたいみっつ目は「モノの大きさで音が変わる」と言うことです。

ここで使うのは8本のパイプです。どれも長さが違います。これらのパイプをステージに来ていた子どもたちへ1本ずつ渡し、音を鳴らしてその違いを観察していきました。するとパイプの長さが長い方が低い音、短い方が高い音が鳴ることがわかりましたね。8本のパイプはそれぞれドレミファソラシドの音階になっていることもわかりました。お手伝いしていただいたみなさん、ありがとうございました。次はお手伝いしたい!と言う方は、来月以降のサイエンスショーでお待ちしております!!

 

実験4:グラスハープ

さて、ここまでの実験はとてもシンプルでしたので最後ぐらいはちょっと「お〜」と言う実験をお見せしましょう。と言うことでグラスハープを行いました。

お家にもある普通のワイングラスの口を指で優しくこすると綺麗な音が響きます。グラスハープは家でもできる実験ですが、いくつかポイントがあります。

最大のポイントは「実験前に石けんでよく手を洗うこと」です。ハンドクリームやあぶらなどが手についているとグラスにうまく振動が伝わらないため、とにかくしっかり洗うこと!これが大事です。

次のポイントは「鳴るグラス・鳴らないグラスがある」と言うことです。いろんなグラスを買って実験してみると、意外と多くのグラスが鳴る一方で鳴らないものは頑張っても鳴らないことが分かりました。なのでひとつにこだわるより何種類かのグラスを試した方が鳴る可能性が高いと思います。

さて、グラスハープが鳴る原理ですが、指でグラスをこすることでグラスが振動します。この振動は小さな振動なのでこれでは音は発生しません。この振動がグラスの「固有振動数」とマッチした時、より強い振動へと変わり聞こえるほどの音が発生します。この固有振動数は、グラスの形状や厚さ、重さなどによって変わるため、グラスによって鳴る音が変わると言うわけです。ちなみに、グラスに水を入れるとグラスの重さが重くなり、固有振動数が小さくなるため、音が低くなると考えられています。

 

さて、来月も今月と同じ様にひとつの科学テーマについて実験を行います。そのテーマは…まだ考え中です!!が乞うご期待!!

 

 次回の「こうすけハカセの人気実験総選挙」は・・・

 令和5年11月18日(土曜日)午後1時からと、19日(日曜日)午後1時から (30〜40分程度)

 名古屋市科学館 天文館4階 サイエンスステージ (入退場自由、要観覧料)

 ※こうすけハカセの体調等により中止になる場合があります。

 

次回も、みなさまのご来館をお待ちしております。

 

 

学芸員 山田厚輔

 

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