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6月の人気実験総選挙

 

実験強化年度」真っ最中!学芸員の山田こうすけです。

 

今月も、月イチ恒例サイエンスショー「こうすけハカセの人気実験総選挙」を6月17日(土)と18日(日)に行いました!みんな見に来てくれましたか!?

(※実験強化年度?人気実験総選挙?なにそれ??という方は学芸員NOW「5月の人気実験総選挙」の記事を読んでね!

今回も大盛り上がりのサイエンスショーでしたね!!ご観覧いただいたみなさん、ありがとうございました。

…え!見に来られなかったって!?大丈夫です!!1位と2位の実験は、当館公式YouTubeチャンネルに投稿してありますので、そちらからご覧いただけます。(下の「こちら」から)

それでは、今月のランキングを発表します!こちらです!!

 

1位 マグネシウムをもやす(公式YouTubeチャンネル→こちら

2位 ふたつの風船 (公式YouTubeチャンネル→こちら

3位 ビンチョウタンでんち(5月1位)(公式YouTubeチャンネル→こちら

4位 謎の気体 X(エックス)

 

今回、土曜日の段階では2〜4位は同率かな?という印象でしたが、日曜日は若干差があったので最終的にはこの順位でした。正直、ふたつの風船が1位かなと思っていましたが、マグネシウムが圧倒的に人気でしたね!

 

さて、1位に輝いた「マグネシウムをもやす」は、名前の通り、マグネシウムリボンを燃やす実験でした。

空気中には酸素があるので、マグネシウムリボンは燃えます。そして、二酸化炭素(CO2)の中でも燃えます。……「ん?二酸化炭素の中にロウソクの火を入れたら消えるはずだから、マグネシウムも消える(燃えない)んじゃない!?」と思った方、するどいですね!

ですが、実はマグネシウムは二酸化炭素の中でも燃やすことができるんです。これは、マグネシウムが酸素と非常に結びつきやすい性質を持っているからです。そのため二酸化炭素の中では、二酸化炭素に含まれる酸素をマグネシウムが奪って燃えるのです。

 

2位の実験は「ふたつの風船」です。

コックの付いたパイプの一方には、小さく膨らませた風船を取り付け、もう一方には大きく膨らませた風船を取り付けます。この状態でコックを開くと、風船はどうなるでしょうか?

①ふたつとも同じ大きさになる ②大きい方がさらに大きくなる ③小さい方が大きくなる

正解は、意外にも②なんです。ショーの中でも、え〜!という歓声があがっていました。

理由は結構フクザツなんですが、ふたつあります。ひとつ目は、ラプラスの式という物理法則によると、小さい風船の方が中の圧力が大きく(高く)、大きい風船の方が中の圧力が小さく(低く)なるため、圧力の大きい(高い)方から小さい(低い)方へ空気が流れるからです。ふたつ目は、風船にあります。風船を膨らませる時、膨らませ初めに一番強く息を吹き込みますよね?これは、風船のゴムが伸び初める時に力が一番必要になるからです。言い換えると、ある程度膨らんでいる風船より、小さく膨らませた風船の方が、風船が縮もうとする力が大きいと言えます。縮もうとする、つまり、中の空気を押し出す力が強いということです。よって、小さい方の風船から、大きい方の風船へ空気が流れるのです。

 

3位は5月の1位だった「ビンチョウタンでんち」です。詳しい解説は、学芸員NOW「5月の人気実験総選挙」をご覧ください。 

 

惜しくも4位だったのは「謎の気体 X(エックス)」でした。それでも僅差でしたので、この実験を推してくれたみなさん、ありがとうございます。

結論から言うと、今回はクエン酸と重曹を反応させ、二酸化炭素を発生させました。そして、窒素、酸素、二酸化炭素の選択肢の中から今回の気体を当てるため、①ろうそくの火を入れる ②シャボン玉を入れる という実験を通して考えていきました。

二酸化炭素は空気よりも重いため、空気で膨らませたシャボン玉がフワフワとビーカーの中で浮かぶ様子はキレイで幻想的なんですが、もう一味パンチが足りなかったですかね?

でも、気体をテーマにしたサイエンスショーは前から作りたいと思っていたので、今回のみなさんの反応を見させてもらい、実現へちょっと前進した気がします。

 

さぁ、7月のショーではどんな実験が見られるでしょうか?

6月1位の「マグネシウムをもやす」に加え、「夏休みの自由研究」でも使えそうな実験を3つ考えていますので、ご期待ください!!

 

 こうすけハカセの人気実験総選挙

 令和5年7月15日(土曜日)13時から、16日(日曜日)13時から (30〜40分程度)

 名古屋市科学館 天文館4階 サイエンスステージ (入退場自由、要観覧料)

 ※こうすけハカセの体調等により中止になる場合があります。

 

次回も、みなさまのご来館をお待ちしております。

 

 

学芸員 山田厚輔

 

 

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