名古屋市科学館

TOP(科学について調べる) > 天文情報 > 天文ニュース > 2023年10月29日部分月食

2023年10月29日部分月食

M_23-10IP.002.jpeg

今朝の部分月食の写真です。名古屋は流れ雲はありましたが、欠けた月が見られました。
次回の名古屋での月食は、2025年9月8日になります。月食の一覧はこちらです。

 
 
 以下、過去の情報を含みます。 
 

20231029le.001.jpg

   

2023年10月29日の夜明け前に部分月食がおこります。今回は欠け具合が最大でも月の直径の1割ちょっとという、ちょこっと月食です。さらに早朝、低空、薄明の時間帯と観望の条件はよくありませんが、これを逃すと、次に名古屋で月食が見られるのは2年後。幸い日曜日の夜明け前の現象ですので、見た後の二度寝を前提に早起きしてみては? 西の視界が開けたところを事前に探しておいて、お楽しみください。

 

月食は月が欠けていく現象です。普段からご覧の「月」を見るわけですから、特別な道具は要りません。もしオペラグラスや双眼鏡などをお持ちでしたら、よりラクにみることができます。今回の月食は西の空低くですので、その方向の視界が開けたところを探しておきましょう。月食自体の進行の時刻は日本のどこでも同じですが、地域によって、地平線からの高さや方角が少し違います。今回の月食は日本の西の地域の方が月が沈むのが少し遅く、見られる位置も高くなりますが、その差はごくわずかです。

  

*_14-09IP.077.jpg

日食と月食は、太陽と地球と月の位置関係で起きるという意味では、よく似た天文現象です。太陽と地球の間に月が入って、月の影が地球に落ちるのが日食。月が太陽の反対側に行って、地球の影に月が入るのが月食です。

 

月食_2014.021.jpg

部分月食の月の欠け際の丸みは、地球の丸みです。ついつい皆既や食の最大の時間だけに目が行きがちですが、その前後の欠けている月で、私たちは地球が丸いことを実感できるのです。また、月食の時の欠け方は、普段の月のくっきりとした欠け方と違って、欠け際がぼんやりとしています。これは地球の影の外側に半影というぼんやりした影がさらに広がっていることが原因です。月食の時、月から見ると地球が太陽を隠す日食になっています。この時、太陽が地球によって全部隠れて見えている地域は真っ暗になっていますが、半分とか、少ししか隠れていない地域もありますね。そこは薄明かりが当たっていて、地球から見ると半影となるのです。また、欠け際のカーブは地球の影の形です。そこで地球の方が月よりかなり大きいこともわかりますね。この大きさを測ると地球の大きさが求められます。ただし実際、月の距離では影がすぼまっているので、地球の影の直径は月の約3倍とやや小さめになっています(本当は4倍)。

  

20231029le.002.jpg

太陽の周囲を回る地球の軌道に対して、月の軌道は傾いています。太陽と地球と月が空間的に一直線に並ばないと、日食や月食にはなりません。ただし、図の上側と下側の位置では、たとえ軌道が傾いていても空間的に一直線になりますね。つまり半年ごとに月食や日食のチャンスがあるわけです。2022年11月8日にあった皆既月食(日本全国で見られました)の半年後、今年の5月6日には半影月食(地球の半影だけが月にかかる月食)がありました。さらに半年後、10月29日が今回の部分月食です。また半年後の2024年3月25日には半影月食があります。

地球規模で見れば、半年ごとに皆既・部分・半影のいずれかの種類の月食が起きています。この次に名古屋で見られる皆既月食は2025年9月8日です。

 

● 前回、名古屋から見えた皆既月食は1年前の2022年11月8日でした。当時の情報はこちらです。

 

月食一覧(1993-2030)のページでは、さらに長い期間の名古屋の過去と未来の月食情報をご覧いただけます。

 

  

by-nd.png  表示ー改変禁止  

 

▲ページ先頭へ