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20191226_部分日食

残念ながら名古屋は曇りで、太陽を見ることすらできませんでした。 

次回の日食は2020年6月21日です。 過去・未来の日食一覧はこちらです。

 

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グアム島で撮影された金環日食の連続合成写真です。

オリンパス OM-D(E-M10) 17mm(f8.0)レンズ シャッタースピード1/1250秒 ISO320

名古屋市科学館日食観測チーム

 

グアム島で撮影された金環日食の動画です。カメラを固定しているので、太陽(と月)が右=西に動きつつ、その太陽に対して月が少しづつ右から左へ(東へ)動いていくことがわかります。

ミニボーク45EDⅡ(焦点距離325mm) Canon EOS-M3 マニュアル動画
シャッタースピード1/1000 ISO200 WBオート JPEG(Lサイズ)1920×1080 D4フィルター

名古屋市科学館日食観測チーム 

 

 

 以下は、過去の情報を含みます。

 

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今回の部分日食は太陽が沈んでいく夕方の現象です。西南西のできるだけ開けたところを探しておきましょう。

  

12月26日部分日食をみる会を開催します。観望会情報はこちらです。

 
●名古屋は曇りそうです。国内の中継はこちらです。

・国立天文台 (Hα リアルタイム画像の更新)
https://www.nao.ac.jp/notice/20191226-partial-eclipse.html
・北海道 (なよろ市立天文台)
https://www.youtube.com/watch?v=zA6vE5w55O0&feature=youtu.be
・栃木県 (栃木県子ども総合科学館)
https://www.youtube.com/watch?v=V4rBheLhf0Y&app=desktop
・兵庫県 (姫路市宿泊型児童館「星の子館」)
https://www.youtube.com/watch?v=5LZl9-YWbrQ&feature=youtu.be
・熊本県 (南阿蘇ルナ天文台)
https://www.youtube.com/channel/UCx3tewSFj03nl1MEk3Zl3-A?view_as=subscriber
 
  

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今回の部分日食は中東からインド南部、スリランカ、東南アジア、シンガポールからグアム島にかけての金環日食の一部となります。日本を含む青い線で囲まれた地域が今回の日食が見られる地域。さらに金環日食の見られる場所は上の図の赤い線の地域です。時刻は日本時間に換算してあります。各地からのインターネット中継を日本で見る時刻となります。

 

 

 <海外中継サイト>

srilanka01.jpgスリランカ・プラネタリウム
名古屋市科学館プラネタリウムのフレンド、スリランカプラネタリウムの中継です。
11月末には当館にもお越しいただきました。スリランカでの日食の進行は左図。時差は日本と3時間半です。
https://www.youtube.com/watch?v=3KTN5Jdquxc

 

 

・アブダビ
https://www.youtube.com/watch?v=tQqnyRi9NxU


・サウジアラビア フフーフ
https://www.youtube.com/watch?v=EovZQvxuI34

 

・スリランカ
https://www.youtube.com/watch?v=4OwDo4SAjCg

 

・インド、シンガポール (ロボット望遠鏡Slooh)
https://www.youtube.com/watch?v=4foL-OEnLpk

 

・ウェザーニュース(グアム島)
https://weathernews.jp/s/star/solareclipse/

 

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日食や月食は、太陽と地球と月が一直線に並んだ時に起きます。今回は、地球と太陽の間に月が入る日食です。

月食が起きた場合にはどこから見ても月に太陽光が当たらなくなっているので、広い地域で見ることができますが、日食は影の落ちる狭い地域にいる人しか見ることができません。それだけ貴重な現象です。

 

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左の図は太陽と地球と月が一直線に並んだ場合の図です。月の軌道が楕円なため、地球から遠くなる時と近くなる時があります。2009年の皆既日食は図上半分の「月が近い時」に起きる日食です。近い分、見かけ上大きく見え、太陽を全部隠すことができます。図下半分は2012年5月21日に名古屋で見られた金環日食です。こちらは「月が遠い時」に起きたので、見かけ上、月が小さく見え、太陽を全部隠せなかったのです。

 

 

 

27年ぶりのダブル日食! 

2019年は1992年以来、名古屋で1年に2回日食が見られる年です。次回は日本の大部分では2074年まで巡ってこないのです。南西諸島では2042年にダブルとなります。地球全体では年に2回は珍しくないのですが、どこにも出かけずにというのは珍しい現象なのです。

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2019年1月6日の部分日食は薄雲越しに見られました。1月6日の日食の記録はこちらです。
 
そしていよいよダブル日食の2回目です。1月にご覧になった方はぜひコンプリートを。見逃してしまった方はぜひこちらだけでも御覧ください。

 

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太陽系レベルでみると、今回の部分(金環)日食と2020年6月に起きる日食は「対」になります。月が地球の周囲を回る面(白道面)が太陽の周囲を地球が回る面(黄道面) に対して傾いているため、太陽・月・地球はなかなか一直線に並びません。しかし図の上、下のあたりに地球が来ると、一直線に並び易くなり、地球全体では日食や月食が半年弱の間隔で続けて起きます。そして半年弱後にまた日食や月食が起きるのです。今回のこの組み合わせは月食についてはめぐり合わせが悪く、見た目ではほとんどわからない半影月食だけしか起きません。

   

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この「世界の日食の表」での今回の12月26日の部分日食は金環日食として載っていますね。グアム島などに出かけられる方も多いようです。図はクリックすると大きくなります。

部分日食の安全な観察方法

まず最初に絶対にやってはいけないことは、望遠鏡や双眼鏡を向けることです。火がつきます。もし覗いていたら失明。体の一部にあたったらやけど。とにかくやめましょう。

 

夕方になるにつれて太陽が低くなり、一見、これなら大丈夫と思ってしまいがちです。これが一番危険。望遠鏡や双眼鏡は光を集めるので、大変なことになります。日食メガネもちゃんと使ってください。せっかくの楽しい日食で一生のケガを負ってしまってはなんの意味もありません。

 

名古屋市科学館に来て見る

 名古屋市科学館では部分日食をみる会を開催します。入館者対象・自由参加。観望会情報はこちらです。

  

名古屋市科学館のwebサイトで見る

 当日晴れたら、日食中継を行います。普段から太陽面の映像を中継しているこのサイトです。

 http://www.ncsm.city.nagoya.jp/astro/sun/

 

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日食メガネ:一番一般的な観察グッズです。ただしじっと見続けてはいけません。時々ちらっと見るようにしましょう。2012年や2009年に買ったものは傷んでいる場合があります。特に薄いフィルムや薄いプラスチックでできているものです。太陽以外で眩しく強い光を通してみて、もし透き通るようでしたら買い替えましょう。小さな穴が空いてしまっている場合もあります。危険ですので買い替えましょう。名古屋市科学館ミュージアムショップでは学校現場で使われている安価で丈夫な日食メガネを扱っています。

  

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ピンホール:小さな穴に太陽の光を通して、映してみましょう。映した像がその時の太陽の形になります。これなら長時間見ても安心ですし、簡単に撮影できます。写真A,B,Cの影の中に、部分日食の欠けた太陽が映っていますね。

  

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写真A:穴あきのお玉

 

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写真B:お塩の容器のフタ

 

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写真C: こしょうの容器のフタ お塩のフタに比べて、穴が小さい分、像がシャープになるが、暗くなります。いろいろためしてみましょう。

 

 穴の大きさによって、くっきり見える距離が変わります。また、穴の形は円形でなくても大丈夫です。小さな穴がたくさんできると楽しいです。麦わら帽子やレース素材などいろいろ試してみましょう。

 

  

 ●木漏れ日:自然が作り出すピンホール像が木漏れ日です。葉と葉の小さな隙間がピンホールになるのです。写真Fのような樹高の高い広葉樹の下がオススメです。事前(できれば同時間帯)に、木漏れ日の形が写真Gのようにきれいな円形になるところを探しておきましょう。

 

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写真D: 背の高い広葉樹の下には、いい木漏れ日ができています。

 

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 写真E: 丸いきれいな木漏れ日。これは太陽の丸い形が投影されているものです。日食の際にはこれが欠けて見えます。中央はサイズ比較用の500円玉。

 

 ●鏡で遠くに映す:日食の欠けた太陽を大勢で一度に見るのに適しているのが、この鏡を使った方法です。ピンホールの時と同じく、鏡の形は丸くなくても大丈夫です。遠くに映すほど、太陽の像は大きくなります。下の写真では、名古屋市科学館の球体に細く欠けた太陽が映っています。この写真の位置からは遠いですけど、近くで見上げると大きく投影されていました。できるだけ遠くから投影し、鏡の近くではなく、投影像の近くで見られるようにすると良いです。

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写真F;2012年の日食の際の鏡投影による太陽像。写真はクリックすると大きくなり、球体に投影された太陽像も確認できます。

 

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