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20180131_皆既月食

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2018年1月31日に皆既月食がおこります。月食の経過は上の図をご覧ください。今回は皆既の時間が1時間以上あるという好条件の皆既月食です。欠け始めから、月が地球の影に全部入る皆既まではかなり時間がありますから、ゆったりご覧いただくと良いです。

 

 

● 月食は月が欠けていく現象です。普段からご覧の「月」を見るわけですから、特別な道具は要りません。もしオペラグラスや双眼鏡などをお持ちでしたら、より楽しいです。東の視界が開けたところで、だんだん欠けていく様子をお楽しみください。なお、月食の進行の時刻は日本のどこでも同じです。地域によって、地平線からの高さや方角は少々違いますが、おおまかな傾向は同じです。

 

● 皆既月食は予備知識を得た上でご覧いただくと感動も高まります。そこで2018年1月のプラネタリウム一般投影のテーマは「赤い満月」。1ヶ月ずっと今回の皆既月食を解説します。  

 

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 日食と月食は、太陽と地球と月の位置関係で起きるという意味では、よく似た天文現象です。太陽と地球の間に月が入って、月の影が地球に落ちるのが日食。月が太陽の反対側に行って、地球の影に月が入るのが月食です。

 今回はリンク先のページの下の方の図で世界地図に色が付いていない地域で月食を見られます。 また月食の進行は世界中全く同じタイミングです。各地で時差がありますので、東アジアは宵、日本は夜、ハワイは未明となりますが、インターネットの中継で比較してみると面白いです。

  

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 以前の皆既月食の写真です。皆既中はこんなふうにきれいな赤い色になります。さらに月明かりが弱くなりますから、空が暗い郊外では、あ、暗くなったなぁという感じを掴んでいただけると思います。

 

 

山奥では皆既とその前後の月が細い時間帯だけ、天の川が見えてきます。この映像は2014年10月8日の月食の際、山形県の月山で撮影した全天映像です。

 

  

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 皆既月食の月が赤く見えるのは、地球に大気があるからです。図のように地球の大気を通り抜けた光は、やや内側に回りこみ、影の中の月を照らします。

 

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 この光は地球大気の中を長い距離通過してから通り抜けるので、その間に波長の短い紫や藍色、青といった色の光が、途中で散乱されてしまいます。これが青空です。その結果通り抜けてくる光は赤っぽくなります。夕日や朝日が赤く見えるのも同じ理由です。また地球は丸いので地球の大気も大きく見ると凸レンズ型になります。そこで光は曲げられて影の中に向かい皆既中の月を赤く照らすのです。

  

● 皆既中の月に行ってみましょう。月から見ると地球が太陽を隠す皆既日食になっています。地球から見ると月と太陽はほぼ同じ大きさですが、月から見ると地球は太陽に対してずっと大きく見えます。そして、地球大­気を通り抜けた赤い光が月を照らしているということは、向こうから見ると地球大気が赤­く見えているはずなのです。名古屋市科学館・プラネタリウムでは、まだ誰も見たことが­ないこの光景を可視化しました。いつか、この光景を眺められる日が来ると良いですね。この動画は1月の一般投影「赤い満月」から切り出したものです。使用条件はこのページ最下部のクリエイティブ・コモンズ表記ccbyndです。ご活用ください。

  

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 この図は地球から見た地球の影と月を表しています。地球の影に対して、月は向かって右から入って行き、左に抜けていきます。影の中に全部月が入った状態を皆既月食、部分的に入った状態を部分月食と言います。今回の皆既月食は、このように、地球の影の真ん中近くを月が通り抜けますので、皆既月食の時間が長いのが特徴です。

 

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 部分月食の時の欠け方は、普段の月のくっきりとした欠け方と違って、欠け際がぼんやりとしています。これは地球の影の外側に半影というぼんやりした影がさらに広がっていることが原因です。月食の時、月から見ると地球が太陽を隠す日食になっています。この時、太陽が地球によって全部隠れて見えている地域は真っ暗になっていますが、半分とか、少ししか隠れていない地域もありますね。そこは薄明かりが当たっていて、地球から見ると半影となるのです。また、欠け際のカーブは地球の影の形です。そこで地球の方が月よりかなり大きいこともわかりますね。この大きさを測ると地球の大きさが求められます。ただし実際、月の距離では影がすぼまっていて、月の大きさの約3倍とやや小さめになっています(本当は4倍)。

  

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 太陽の周囲を回る地球の軌道に対して、月の軌道は傾いています。また、空間的に一直線に並ばないと、日食や月食にはなりません。ただし、図の上側と下側の位置では、たとえ軌道が傾いていても空間的に一直線になりますね。つまり半年ごとに月食や日食のチャンスがあるわけです。図上の8月22日から半年。図下の状況が巡ってきました。そして運良く日本は、その両方で月食が見られる位置にあったのです。

 

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 前回、日本から見られる条件にあった皆既月食は3年前の2015年4月4日でした。ただ残念なことに小雨で見えませんでした。その前の2014年10月8日は雲越しではありましたが、きれいに見られました。写真などはこちらです。リンク先の月食一覧(1993-2030)のページでは、さらに長い期間の名古屋の過去と未来の月食をご覧いただけます。この次、日本から見られる皆既月食は2018年7月28日ですが、これは超低空での皆既で実際は皆既の赤い月は見られないでしょう。そこで、現実的な次回は2021年5月26日。ただし皆既の時間は今回の1時間17分に対して、19分とぐんと短くなります。今回、晴れて多くの方にご覧いただけることを願っています。

 

 

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