科学館を利用する > 利用案内 > お知らせ > 岩石風化の'年輪'判読に成功!当館学芸員が参加する研究グループの研究成果が公表されました。
記事掲載: 2020年07月31日
当館企画調査委員で名古屋大学博物館の吉田英一教授が中心となり、当館の西本昌司主任学芸員が参加する研究グループが、岐阜県長良川の礫に見られる年輪状の縞模様の形成プロセスと形成速度を解明。論文が科学雑誌「Chemical Geology」に掲載されました。
年輪状の縞模様は、岩石の風化によって形成され、その模様の美しさなどから日本国内のみならず世界の様々な建築物の外壁やデザインの石材として使われることがあります。しかし、それがどのようにしてできるのか、はっきり分かっていませんでした。
本研究グループは、これまで展開してきた球状コンクリーションの研究手法を応用し、岩石中に見られる年輪状の縞模様が、雨水や地下水中に溶け込んだ鉄イオンが礫内部に浸透・沈殿することにより、これまでの推定よりずっと速く形成されることを世界で初めて示しました。
この研究に用いたサンプルを、当館生命館2階で8月1日から展示します。
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https://www.ncsm.city.nagoya.jp/study/curator/2020/07/nagaragawa.html
<名古屋大学プレスリリースへのリンク>
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20200731_num1.pdf
<論文>
H.Yoshida, N.Katsuta, S.Sirono, S.Nishimoto, H.Kawahara, R.Metcalfe. 2020, Concentric Fe-oxyhydroxide bands in dacite cobbles: rates of buffering chemical reactions. Chemical Geology. https://doi.org/10.1016/j.chemgeo.2020.119786.