名古屋市科学館

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七夕_2021

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 七夕の「おりひめ」と「ひこぼし」が見頃です。



2021_tanabata01.jpeg 新暦の7月7日は梅雨時で、なかなか晴れません。名古屋市科学館ができてからの統計で、7月7日の夜半前におりひめとひこぼしが見えたのは22%しかないのです。でもわざわざ雨の多い時期に七夕をするのも変ですよね。これは暦の変更のせいなのです。

 七夕のお祭りが最初に行われた奈良時代から明治5年までの長い間、現在とは違う暦(旧暦)が使われていました。この旧暦と現在の暦(新暦)とは、全体に約1ヶ月ずれており、さらに毎年、約11日ずれます。旧暦での7月7日が現在の暦でいつになるかを計算すると、右の表のように、ほとんどが8月になり、さらに毎年ばらばらなのです。

 その結果、新暦では22%だった見える率が、旧暦ではこれが64%となります(協力:日本気象協会)。これは、5年に1回しか見えない新暦に対して、旧暦では3年に2回ですから、ずいぶん違います。

 

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 ただし、毎年七夕の日が違うのも面倒です。そこで全体が一ヶ月ずれているのだから、一ヶ月遅れ(月遅れ)にしましょうという考え方が生まれました。この月遅れ七夕は毎年8月7日となります。実はお盆が8月15日なのもこれと同じ考え方で、本来は7月15日がお盆の日付だったのです。七夕のお祭りはこの月遅れ七夕で行なわれるところが多いですね。

 

 そこで名古屋市科学館でも新暦の七夕だけではなく、この月遅れの七夕での夜間投影を行います。事前申込みが必要ですので、くわしくはこちらをご覧ください。

 

 というわけで、七夕は都合3回あるわけです。さらにおりひめとひこぼしは晴れれば毎晩見えていますから、この「七夕シーズン」のうちにぜひ見上げてみてください。


 なお、旧暦七夕にはかならず半月に近い月があり、月明かりでもともと天の川が見えにくい夜でした。おりひめとひこぼしが渡りやすいように思ったのでしょうか。今年の旧暦七夕、8月14日にも月齢5.5の半月に近い月が出ています。というわけで天の川はあくまで脇役です。街中で天の川が見えなくっても、七夕の風情は十分お楽しみいただけます。

 

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