名古屋市科学館

TOP(科学について調べる) > 天文情報 > 天文ニュース > スパークチェンバー停止のお知らせ

スパークチェンバー停止のお知らせ


 

スパークチェンバーをしばらく停止していました。

 名古屋市科学館の天文館5F「宇宙のすがた」展示室に、スパークチェンバーという展示物があり、実際に飛んでくる宇宙線の飛跡を見られるようになっています。上はグーグルストリートビューで見たスパークチェンバーの姿です。このスパークチェンバーは1978年に名古屋市科学館が日本で最初に公開したもので、新館に移設して稼働を続けてきました。

 この装置は、ヘリウムガスの中に高電圧の電極が入った構造になっています。現在、世界的なヘリウムガスの供給不足が起きており、現在の供給は、医療用、工業用が優先となっています。当館のスパークチェンバーは供給不足以前からのヘリウムガスを使って稼働させてきましたが、残量が少なくなってきたので、2013年3月末日をもって、しばらく停止することにしました。

 日本でのヘリウムガスの供給は、アメリカやカタールの新規プラントからの供給が始まることによって、やがて回復する見込みです。医療用・工業用などへの供給が安定し、それ以外の用途にも安定して供給されるようになった時点で、再稼働いたします。

 

 

★ 2014年6月5日より再開しました ★

 

 

スパークチェンバーのしくみ

 スパークチェンバーの放電箱の部分は、ヘリウムガスを充填しており、その中での放電を見るしくみとなっています。

 

sp_01.jpg

   

sp_02のコピー.jpg

 

   より詳しいスパークチェンバーのしくみ(高エネルギー加速器研究機構)

 

ヘリウム不足について

 2013年現在、世界的にヘリウムガスが不足しています。ヘリウムは最初、太陽のスペクトルの中に、未知の元素があるということで、ギリシャ語の「太陽」という意味の「ヘリウム」という名前が付けられました(1868年)。その後、1895年に地球上で初めて生成されました。それくらいに地上には乏しい元素です。地球大気には0.00052%しか含まれておらず、取り出すのはとても難しいです。そこで0.5%から1%ほどのヘリウムを含む天然ガスから取り出されています。

 ヘリウムの作られ方(日本産業・医療ガス協会)

 

 世界的な需要が高まってきたにも関わらず供給量は増えず、2012年には供給不足が発生しました。

 

 ヘリウムガスの不足について(大東医療ガス)

 深刻化するヘリウム不足(日経新聞 2013 2 14)

 ヘリウム(イワタニ。カタールからの輸入計画が記載されています)

 ヘリウム受給の見通し(日本高圧力学会の論文pdf)

 

▲ページ先頭へ