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火星と土星とアンタレスの「夏の小三角」

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8月25日20時9分、名古屋市科学館からもきれいに見えました。一直線は過ぎましたが、これからも三角形の変化は楽しいので、お見逃しなく(^^)/  21mm F4 ISO400相当 4秒露出

 

さあ、いよいよクライマックスです。8月22日の写真にここ数日の位置を書き込んでみました。日に日に位置が変わるのが、肉眼で簡単に見ていただけます!

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20160822.001.jpg 2016年8月22日21時55分 ISO400 70mm相当 1秒露出

左は書き込む前の写真、クリックすると大きくなります。

この写真は晴れ間をぬったので22時ごろでしたが、20時にはすでに見えています。その時間帯には土星とアンタレスを結んだ線がもっと立っていますが、3つの星の相対的な位置は変わりません。

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火星はこの頃の夜8時すぎ、南の低空で一番明るく赤く見えている星です。最接近時の5月31日の明るさは-2.0等級になりました。ただ、最接近の日だけ急に明るくなるわけではなく、10月まですっと見え続けますから、梅雨も開けましたし、天気の良い日に見上げてみましょう。南西で一番明るいのが0等級の火星です。夏が終わる頃にはそれなりに遠ざかって暗くなるのですが、それでも火星の敵という意味の名を持つさそり座のアンタレスの1.0等よりも明るい0等で、夜8時頃の南西の空で目立って見えています。今シーズンの火星はこれから秋までずっと楽しめるのです。

 

 今年はさそり座のアンタレスや土星といった明るい星が近くにあり、夏の大三角とは別の小さい三角を作っています。火星は大きく、土星はほんのすこし、夜空の中で場所を変えていて、上の図のように、三角形の形が変化していきます。そして8月24日にはほぼ一直線になりますのでお楽しみに。

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今年は2年ぶりの火星接近の年です。前回は2014年4月14日で、今回は2016年5月31日が最接近でした。火星は地球の一つ外側の惑星で、太陽の周りを約687日で回っています。地球の一周は約365日と早いので、火星の内側を追い抜いていきます。最接近は追い抜きつつ、真横に並ぶ時になります。2001年から2020年までの火星接近の位置と距離、明るさと視直径("は秒角=1°の1/3600です)になります。火星軌道はかなり楕円なので、図の右下側では地球軌道との距離が小さくなります。そこでこの付近で地球と火星が並ぶと、大接近となります。2003年にはほぼ理想的な位置で並んだので、あくまで数字上の話ですが6万年ぶりなどと言われました。基本は、大接近があると、その15年もしくは17年(ぴったり割り切れないので)後に次の大接近がやってきます。今回は大きめの中接近というところです。しかし火星の敵という名を持つさそり座のアンタレスの近く、さらに土星も近くにいるということで、なかなか見栄えのする「ちょっとスパイスの効いた中接近」です。

 

 

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地球が火星を内側から追い越している間、夜空の中を動いている火星の向きが反対になります。今回の接近前後の位置変化を上図の左側に示しました。4月17日にはすでに追い越し期間に入っていて、5月31日、6月30日と図を右へ動いていきます。6月30日は折り返しの日で、その後は本来の向きの右から左へ(順行)となります。かけっこでも自転車でも車でも、追い越す時は相手が後ろに下がっていくように見えますね。左図のように、今、私たちが乗った宇宙船地球号が、まさに今、火星を追い越しているところを眺めているのです。

  

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