名古屋市科学館

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X線天文衛星『ひとみ』

P1190909_m.JPG◎「ひとみ」は「すざく」に続く日本で6機目のX線天文衛星で、2016年2月17日にH-IIA30号機で打ち上げられました。 当館では打ち上げのパブリックビューイングも行い、平日にもかかわらず300名以上の方にお越しいただきました。装置の開発は名古屋大学でも行われていて、その装置開発者と学芸員の解説を交えながら、打ち上げを見守りました(写真右)。

 

◎しかし本格的な観測に入る前の3月26日に通信が途絶え、4月28日に運用断念となってしまいました。

    X線天文衛星「ひとみ」の異常に関する小委員会の検証結果について

  

◎「ひとみ」はトラブル前の初期の観測において、すでに世界初の成果を残しており、英科学論文誌「Nature」2016年7月7日号に掲載されました。銀河団中心部の巨大ブラックホールから吹き出すジェットの運動をはじめて測定し、予想よりもガスの乱れた運動が静かだったことを明らかにしています。この論文は「ひとみ」打ち上げに関係された215名の方の連名となっています。

    「ひとみ」搭載観測機器でペルセウス座銀河団を観測

 

◎2020年を目標に「ひとみ」の代替機の打ち上げが計画されています。この失敗から学んだ経験は、未来にいかされていきます。

    X線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」の後継機の検討について

    X線天文衛星代替機の検討状況について

 

IMG_1344.jpg◎名古屋市科学館では打ち上げ時点で模型の展示の準備を始めていたのですが、いったんとりやめとなっていました。しかし上記のりっぱな観測データが発表されたことから、せっかくの模型を成果も含めて展示いたしました。場所は天文展示室のX線望遠鏡のコーナーです。現在、X線望遠鏡のミラーが製作者のところへ里帰り(アメリカです)しているので、その場所に展示しています。ミラーが戻り次第、展示ケースを増設しつつ、この模型を大事に展示していきたいと思っています。

 

◎このとっても精密な模型はCGデザイナーの宮崎剛さんが設計・製作された「ペーパークラフト」です(!)。そして、このペーパークラフトの型紙もご提供いただきました。展示室の本物のすばらしさをご覧頂いた後、よろしければチャレンジしてみてください。

 

    ペーパークラフト型紙 ASTRO-H_FM.pdf

    ひとみのCGアルバム Flickrへのリンク 

    ひとみの「ぬりえ」 ASTRO-H.pdf お正月等にお楽しみください

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