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2021年11月19日(ほぼ皆既)部分月食

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晴れました! 見えました! きれいでした!

 

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食の最大を過ぎてからの月はこんな形に見えていましたね。この上側は下の図のように地球の影でした。
地球が丸いということをまさに実体験できていたのです!

 

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当日、公式YouTubeチャンネルにて、解説つきライブ中継を行いました。
オンライン部分月食をみる会 11月19日(金) 17:30-18:30 録画をこちらからご覧いただけます。

 

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名古屋での次回の月食はほぼ一年先の2022年11月8日の皆既月食。これはかなりの好条件です。お楽しみに。

 

以下は過去の情報を含みますが、見え方の原理などを解説していますので、ぜひお読みください。

  

2021年11月19日の宵にかなり深い部分月食がおこります。今回は欠け始めた月が昇ってきて、18時3分に地球の影にもっとも深く入ります。そのときの食分(影の中に入っている直径の割合)は0.98。この値が1になると全部入る皆既となります。本当に惜しいのですが、ほぼ皆既月食なのです。その後すぐに影から出始めますので、なんとしても18時3分前後は見逃せないですね。図のように非常に低空での現象ですので、東北東の視界が開けたところを事前に探しておくのが大切です。

  

● 月食は月が欠けていく現象です。普段からご覧の「月」を見るわけですから、特別な道具は要りません。もしオペラグラスや双眼鏡などをお持ちでしたら、よりラクにみることができます。今回の月食は東北東の空低くですので、その方向の視界が開けたところを探しておきましょう。月食自体の進行の時刻は日本のどこでも同じですが、地域によって、地平線からの高さや方角が少し違います。今回の月食は日本の北東の地域の方が少し月が早く昇り見られる位置も高くなりますが、その差はわずかです。

  

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 日食と月食は、太陽と地球と月の位置関係で起きるという意味では、よく似た天文現象です。太陽と地球の間に月が入って、月の影が地球に落ちるのが日食。月が太陽の反対側に行って、地球の影に月が入るのが月食です。

 

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● 今回の皆既月食は地球の影の下の方を通過します。中央付近を通るときは皆既の時間が1時間を超えますが、今回は縁でさらにほんの少しはみ出したまま全部入りません。

  

さらに月明かりが弱くなりますから、空が暗い郊外や山奥では、明るい「月夜」から「闇夜」にかわります。山奥などでは皆既の間だけ天の川が見えるようになります。今回は薄暮のときにすでに月が深く欠けており、そのまま食の最大になっていきますので、山奥でないとこの現象は観察しにくいと思います。2014年の皆既月食ではその様子を捉えることができました。こちらに動画があります。

  

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 皆既月食の月が赤く見えるのは、地球に大気があるからです。図のように地球の大気を通り抜けた光は、やや内側に回りこみ影の中の月を照らします。今回のほぼ皆既月食では月の下のほうが少し影から出ていますので、全体が赤くなるわけではありませんが、影の中心に近い月の上の方が赤く見える可能性があります。

 

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 この光は地球大気の中を長い距離通過してから通り抜けるので、その間に波長の短い紫や藍色、青といった色の光が、途中で散乱されてしまいます。これが青空です。その結果通り抜けてくる光は赤っぽくなります。夕日や朝日が赤く見えるのも同じ理由です。また地球は丸いので地球の大気も大きく見ると凸レンズ型になります。そこで光は曲げられて影の中に向かい皆既中の月を赤く照らすのです。今回も同じ仕組みで上の方が赤く見えると思われます。

 

 

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● 前回きれいに見えた2018年1月31日の月食の記録写真から、今回の月食の最大食分0.98前後のものをピックアップしてみました。明るさも比較できるように同じ露出条件でのピックアップです。このときは月の向かって右下が影の縁になっているので、全て右下が明るくなっています。ごらんのように今回の部分月食0.98と皆既月食の1.00はほとんど違いがないですね。その後、影により深く入った1.11とは確かに違いますが、今回のほぼ皆既月食は赤く見える月食と予想されます。

 

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 部分月食の月の欠け際の丸みは、地球の丸みです。ついつい皆既や食の最大の時間だけに目が行きがちですが、その前後の欠けている月で、私たちは地球が丸いことを実感できるのです。また、月食の時の欠け方は、普段の月のくっきりとした欠け方と違って、欠け際がぼんやりとしています。これは地球の影の外側に半影というぼんやりした影がさらに広がっていることが原因です。月食の時、月から見ると地球が太陽を隠す日食になっています。この時、太陽が地球によって全部隠れて見えている地域は真っ暗になっていますが、半分とか、少ししか隠れていない地域もありますね。そこは薄明かりが当たっていて、地球から見ると半影となるのです。また、欠け際のカーブは地球の影の形です。そこで地球の方が月よりかなり大きいこともわかりますね。この大きさを測ると地球の大きさが求められます。ただし実際、月の距離では影がすぼまっていて、月の大きさの約3倍とやや小さめになっています(本当は4倍)。

  

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 太陽の周囲を回る地球の軌道に対して、月の軌道は傾いています。また、空間的に一直線に並ばないと、日食や月食にはなりません。ただし、図の上側と下側の位置では、たとえ軌道が傾いていても空間的に一直線になりますね。つまり半年ごとに月食や日食のチャンスがあるわけです。5月26日にあった皆既月食(図下、名古屋は曇り)の半年後が、今回(11月19日)の月食なのです。

 

 前回、名古屋からきれいに見えた皆既月食は3年前の2018年1月31日でした。写真などはこちらです。リンク先の月食一覧(1993-2030)のページでは、さらに長い期間の名古屋の過去と未来の月食をご覧いただけます。

  

● 今回のほぼ皆既月食は最も深い時間は一瞬です。そのタイミングで市民観望会の100名ものみなさま全員に望遠鏡を覗いて体験していただくのは不可能です。また白川公園では大きく育った木々があり、最大の瞬間は見られませんので、公園に集まっていただいてもかえって条件が悪くなってしまいます。部分月食は「月」の現象ですので、見るのは簡単ですし、中継用の高感度カメラできれいに捉えられる天文現象です。そこで当日は名古屋市科学館公式YouTubeチャンネルでのライブ中継を行います。月食当日はお家の近くの見晴らしの良いところで、スマホやタブレット片手にライブ中継での解説を聞いていただきつつ、本物を眺めてみてください。欠けていく月や戻っていく月、18時3分前後の赤い色(見えたら)などは肉眼で十二分に楽しんでいただけます。晴天を祈ります。

 

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