名古屋市科学館

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2026年3月3日皆既月食

名古屋市科学館では3月3日の皆既月食を

公式YouTubeチャンネルで生中継します。

スマホで解説を聴きながら、月食を楽しみましょう!

オンライン市民観望会「皆既月食」(YouTubeのページに飛びます)

 

 

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● 2026年3月3日(火)の夕方から夜にかけて、皆既月食がおこります。日没ごろに東から昇ってくる満月が19時前から欠け始め、20時4分から皆既を迎えます。皆既の時間はほぼ1時間。夜更かしや早起きをしなくても見られる、とても条件の良い皆既月食です。部分月食終盤の22時すぎには、月は南東あたりまで昇ります。東〜南東の空が見やすいところでお楽しみください。

 

月食は地球の影が満月にかかり、月が欠けていく現象です。今回は地球の影に満月全体がおさまる皆既月食で、皆既中の月は赤暗い不思議な色になります。普段からご覧の「月」を見るわけですから、特別な道具は要りません。肉眼で十分楽しめます。もしオペラグラスや双眼鏡などをお持ちでしたら、よりラクにみることができます。

今回の月食は東から南東のさほど高くない空で起こります。事前にその方向の視界が開けたところを探しておきましょう。月食自体の進行の時刻は日本のどこでも同じですが、地域によって、地平線からの高さや方角、月の出の時刻が少し違います。今回の月食は、日本全国で月が東の地平線から昇った後に部分食が始まります。ただ、日本の東の地域ほど月の出が早いので、月食が見られる高さは少し高くなります。日の入りも東の地域ほど早くなるため、部分食の最初の方は東の地域の方がいくらか見やすくなりますが、その差はわずかです。

 

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● 日食と月食は、太陽と地球と月の位置関係で起きるという意味では、よく似た天文現象です。太陽と地球の間に月が入って、月の影が地球に落ちるのが日食。月が太陽と反対側に行って、地球の影に月が入るのが月食です。

 

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● 今回の皆既月食は地球の影の下寄りを月が通過します。影にはわずかに濃淡があり、中心ほど影が濃くなっています。皆既中の月をよく見ると、地球の影の中心側から影の淵に向かって、明るさのグラデーションがわかることもあります。59分続く皆既時間の間に、月は影の中を横切っていきます。地上から見上げる向きでいうと、皆既の始めは月の向かって左下側に影の中心があり、皆既の終わり頃には月の向かって左上側に影の中心がきます。月食の進行とともに、グラデーションの向きがだんだん変わっていくのです。

皆既の間は月明かりが弱くなりますから、空が暗い郊外や山奥では、明るい「月夜」から「闇夜」にかわります。山奥などでは皆既の間だけ天の川が見えるようになります。今回は日没後、空に薄明かりが残るうちから満月が欠けていき、元に戻っていきますから、薄明→闇夜→月夜 になります。2014年の皆既月食ではその様子を捉えることができました。こちらに動画があります。

 

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● 皆既月食の月が赤く見えるのは、地球に大気があるからです。図のように地球の大気を通り抜けた光は、やや内側に回りこみ影の中の月を照らします。

 

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● この光は地球大気の中を長い距離通過してから通り抜けるので、その間に波長の短い紫や藍色、青といった色の光が、途中で散乱されてしまいます。この光が青空を作り、散乱されずに通り抜けてくる光は赤っぽくなります。夕日や朝日が赤く見えるのも同じ理由です。また地球は丸いので、地球の大気も大きく見ると凸レンズ型になります。そのため、光は曲げられて影の中に向かい皆既中の月を赤く照らすのです。

 

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● 部分月食の月の欠けぎわの丸みは、地球の丸みです。ついつい皆既や食の最大の時間だけに目が行きがちですが、その前後の欠けている月で、私たちは地球が丸いことを実感できるのです。また、月食の時の欠け方は、普段の月のくっきりとした欠け方と違って、欠けぎわがぼんやりとしています。これは地球の影の外側に半影というぼんやりした影がさらに広がっていることが原因です。月食の時、月から見ると地球が太陽を隠す日食になります。この時、太陽が地球によって全部隠れている地域は真っ暗になりますが、半分とか、少ししか隠れていない地域もありますね。そこは薄明かりが当たっていて、地球から見ると半影となるのです。また、欠けぎわのカーブは地球の影の形です。地球の影の方が月よりかなり大きいこともわかりますね。この大きさを測ると地球の大きさが求められます。ただし実際は、月の距離では影がすぼまっているので、地球の影の直径は月の約3倍と本当の地球より小さめになっています(本当は4倍)。

 

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● 太陽と地球と月が空間的に一直線に並ぶと日食や月食になります。太陽の周囲を回る地球の軌道に対して、月の軌道は傾いているので、毎回一直線になれるわけではありません。ただし、この図の上側と下側の位置では、たとえ軌道が傾いていても空間的に一直線になりますね。つまり半年ごとに月食や日食のチャンスがあるわけです。さかのぼること半年前、2025年9月8日(図下)にも皆既月食があり、日本からも楽しめました。ただ、このとき日本は深夜だったので、見られた方は少ないかもしれませんね。今回、2026年3月3日(図上)の皆既月食は普通に起きている時間帯に起こる、という点でとても恵まれています。

 

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● ところで、月食は月が見えていればどこからでも、つまり地球上の半分の地域から楽しめる天文現象です。今回の月食は太平洋とその周辺を中心とした、広い地域で見られます。皆既が始まるタイミングや、食の最大を迎える瞬間は世界中でまったく同時です。時差があるので真夜中や明け方の地域もありますが、日本のほぼ真南にあるオーストラリアでは、あまり夜更かしせずに月食が見られます。

 

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● そこで、今回の月食に合わせて行うライブ配信イベントオンライン市民観望会「皆既月食」では、オーストラリア・シドニー天文台と中継を結んで、名古屋とシドニー両地点からの月食をお楽しみいただきます。

このオンライン市民観望会は、令和7年度に名古屋市とシドニー市が姉妹都市提携45周年を迎えたことを記念した名古屋市科学館のイベント「名古屋×シドニー サイエンスコラボフェス」の一環です。

 

● 前回、名古屋から見えた皆既月食は半年前の2025年9月8日でした。写真などはこちらです。

 

 リンク先の月食一覧(1993-2030)のページでは、さらに長い期間の名古屋の過去と未来の月食をご覧いただけます。

 

 

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