科学について調べる > 学芸員NOW > 水の力で省エネ! 気化熱を利用した環境にやさしい空調

みなさんこんにちは、お天気大好きな学芸員の小林です。
令和8年7月にブラザー工業株式会社様より「据置型スポットクーラー」2台をご寄贈いただきました(寄贈について詳しくはこちら)。
このスポットクーラーは、一般のエアコンと違い、気化熱タイプの省エネで動かすことができる優れものです。

「気化熱」、みなさんは聞いたことがありますか?
「気化熱」とは、水が蒸発するときに周りの熱を奪う現象のことです。
私たちが汗をかいたときに汗が蒸発すると体が涼しく感じたり、夏の暑い日に打ち水をして周りを涼しくするのも、このしくみによるものです。
一般的なエアコンは、冷媒(れいばい)という特別なガスを圧縮したり膨張させたりするため、多くの電力を使います。一方、気化熱タイプの空調機は、水を効率的に蒸発させるために、水を循環させるポンプや送風機を動かすだけなので、必要な電力が少なくてすみます。
そのため、消費電力は一般的なエアコンの数分の一になる場合もあり、電気代を抑えることができます。
また、使う電気が少ないということは、発電に必要な燃料の使用量も減り、二酸化炭素(CO₂)の排出量を減らすことにもつながります。つまり、家計にも地球環境にもやさしい空調設備といえます。
このように、気化熱タイプの空調機は、「水の力」を上手に利用して、省エネルギーを実現する環境にやさしい技術なのです。
#気化熱タイプの空調機にも弱点があります。それは、湿度が高いと水が蒸発しにくくなり、冷却効果が弱くなることです。そのため、周囲の環境に応じて使い方を工夫する必要があります。
学芸員 小林修二