TOP(科学について調べる) > 天文情報 > 天文ニュース > 第29回ISTS 国際宇宙展示会終了しました。
記事掲載: 2013年06月08日
記事更新: 2025年03月17日
International Symposium on Space Technology and Sciense ISTS
◆当館公式ページ 第29回ISTS 国際宇宙展示会
◆ISTS全体の公式ページ 第29回宇宙技術および科学の国際シンポジウム
◆ISTSの一般向けイベント一覧 ISTS一般向けイベント
◆6/8,9は宇宙技術講演会・航空宇宙フェア特別講演会が開催されました。(6/8,9の講演会風景)
当日受付枠、12時から配布です。こちらの直リンクでご確認下さい。宇宙技術講演会
★★★このページでは公式情報とは別の観点で、見どころなどをご紹介します★★★
★基本情報の補足
・9日(日)で終了です。
・交通アクセスはこちら。 名古屋市科学館:利用案内:交通アクセス
・名古屋市科学館の閉館は午後5時、入館は午後4時30分までです。
名古屋市科学館:利用案内:ご利用について
・6月3日(月)は休館日です。ご注意下さい。名古屋市科学館:利用案内:カレンダー
★国際会議に付随した一般向け展示会です。興味深い展示物やイベントがたくさんあります。
・8種類の実験教室が開催されます。内容は日替わりですので、ご来館時に館内パネルなどで
スケジュールをご確認下さい。平日はプラネ終了後に合わせて、6/8,9は多数来館体制での
時間割となる予定です。
ペットボトルロケット、ホバークラフト、真空・加圧実験、分光装置、
ロボットアーム、飛翔紙飛行機、傘袋ロケット
・6/8,9は、航空宇宙フェアが並行して開催され、さらに内容が充実します。航空宇宙フェア
・6/8,9は、宇宙技術講演会、航空宇宙フェア特別講演会が開催されます。
当日受付枠がありますので、こちらでご確認下さい。宇宙技術講演会
★館内の様子と見どころ(順不同です)
・入館してすぐに宇宙服のお出迎えがあります。ついつい立ち止まってしまいがちですが、展示会場の中には、実際に顔を出せる宇宙服があります。混みあう場所ですので、さらっと手を振って目的地へどうぞ。
・館内に突然、「宇宙飛行士服姿の人」(≠宇宙飛行士)があらわれることがあります。会えたらラッキーかも
・地下2Fの会場へは、エレベーターと階段で行くことができます。階段からですと、宇宙ステーションの日本の実験室「きぼう」の試験機を眺めながら降りて行けます。土日はエレベーターがなかなか来ないと思いますので、階段がオススメです。お帰りの際に、ぜひきぼうも近くでご覧ください。ただし試験機は構造をチェックするもので、中がありません。
・きぼうの中身をご覧になりたい方はJAXA公式アプリkibo360°をどうぞ。ちょっとわかりにくいページですが、右下のリンクから各種スマートフォン・タブレットにソフトをダウンロードできます(現在はiPhoneとiPad。Androidもまもなく公開とのことです)
・だいち2号実物大プロジェクションマッピング
今年度打ち上げ予定のだいち2号の実物大模型(幅16.5m)に、複数台のビデオプロジェクターを組分せて映像を投影するプロジェクションマッピングを施します。写真はあえて準備段階のものにしておきます。会場での、大迫力のだいち2号をお楽しみに。20分毎に映像を御覧いただける予定です。
・はやぶさ実物大模型 (武豊モデル)
「たけゆたか」ではありませーん。愛知県武豊(たけとよ)町です。これは武豊はやぶさ実行委員会のみなさんが手作りで作り上げた実物大モデルなのです。その詳細はこちらが詳しいです。
「はやぶさ」実物大解説用模型
製作チーム談話 (1) (2) (3)
模型には川口さんと吉川さんのサインがあります。お見逃しなく。
・宇宙服もたくさんありますねー。会場入口の宇宙服は記念写真が撮れますよ。後ろは階段になっているので小柄な方でも大丈夫。照明とバイザーの関係で顔の上のほうが陰になりますので、できるだけ下に顔をだすのがコツです。
後ろはこんなふうでお子さんもOK!
・星出宇宙飛行士の名札がついた宇宙服もありますよ。ロシア語の綴りもわかっちゃったりします。
・自分の名前(ローマ字)もロシア語表記(キリル文字)にしてみたいという方は、こちらのwebサイトをどうぞ!
HO SHI DE
ХО ШИ ДЕ
です。
・さてその宇宙服ならでは見どころは文字での向きです。左の写真のNASAとかSPACE SHUTTLEの文字は普通の向きですよね。
でもその右下のダイヤルっぽく丸く並んでいる数字や、さらに中央下のOFFの文字。裏返しですよね。なぜでしょう?
他の宇宙服も見てみて下さい。このように裏文字になっているところがあちこちに。
ロシア語だから、裏か表かわかりにくいところも確かにありますけど、、、数字も裏返しですよね?
裏返しになっている文字は操作に関係がありそう…。NASAとかのワッペンは他の人に見せるもの。操作は? 宇宙飛行士ご自身が見るもの… これがヒントです。
おお、あのヒトもこのヒトも腕に手鏡! そうなんです。宇宙服(特に船外用)は硬いのでお腹あたりに付いている装置を体を曲げて見ることができないんですね。しかし操作するダイヤルとかスイッチとかは他のものにぶつかりにくいお腹あたりに付けたほうが安全です。そこで、宇宙飛行士は装置を手鏡で見て操作するんです。で、その時に間違いなく見えるように「裏文字」なのです。
左の写真では、手鏡に加えてその時に参照する表。これは表文字で手を目の前に持ってきた時に見やすい向きになっていますね。
宇宙服は文字の向きに注目です!
この広いスペースは平日のみの贅沢、実験教室です。ここでは毎日、楽しい実験教室が行われています(左写真JAXA提供)。スケジュールは当館公式ページでご覧下さい。
はっきり言いますと…平日空いてます。大チャンスです。そして次の土日はこのスペースが、航空宇宙フェアの会場に変わります。イベントとしての実験教室自体は行われますが、内容自体もゆっくり座って実験して…ということでなくなるのです。
・土日はこんな楽しい実験の予定です。
(楽しそうな準備風景…JAXA提供)
・そして土曜日になりました。傘袋ロケット、見事に飛んでますっ!
(写真左上)
・日本の航空機開発の年表。すごいんです。細かいんです。緻密なんです。筆者は航空機には決して詳しくないんですが、これを見ると、作った人の航空機愛を感じるんです。
で、振り返るとこれ! じゃじゃーん。
低騒音STOL実験機「飛鳥」のターボファンエンジンですよっ! 大迫力です。触れるくらい近いんですよ。目の前です。
・左はその「飛鳥」エンジンのパネルの一部。「氷・鳥吸込試験」なんてのもあるんですね。安全性・信頼性確保のための、いろんな苦労がしのばれます。
・さてさて、宇宙側に戻って「かぐや3兄弟」も見どころです。え? 「かぐや」と「おきな」と「おうな」の模型? いいえ、もっとマニアックです。月周回衛星「かぐや」のエンジン・スラスター3兄弟の揃い踏みなのです。なかでも20Nスラスターは初公開とのことです。なお、天文館5Fの天文展示室にはこの「かぐや」のデータに基づいた月球儀があります。望遠鏡も向いてますからこちらもお見逃しなく。
・エスカレーター側の会場の奥の奥に「こうのとり」の模型があります(6/8朝、メイン会場へ移動)。ここまで奥深く見に行くのもちょっと大変なのですが、さらにその背後に素晴らしいパネルがあるのです。
・この世界の主なロケットの年表。アメリカ、ロシア、日本、ヨーロッパ、中国、インドのロケットが一同に揃っているのです。すばらしい。
正直、こうのとりやロケット展示の後ろで見づらいことこの上ないのですが… と書いてたら、6/8朝から「こうのとり」がお引越しして見やすくなってますよ〜。ありがとうございます。
・そしてそして、ドイツV2ロケットの流れを組むアメリカやロシア(当時ソ連)のロケット開発と全く別個、全く独立にスタートしている日本のロケット開発、「ペンシルロケット」。誇りに思います。
・上のロケット年表の隣にあるのがH-IIAロケットのフェアリング。これは見せ方が面白いです。実際は1/4しかないんですけど、鏡で全周あるように見えるところがミソ。実に面白いです。
・6/8朝から航空宇宙フェアが追加。さらに展示が充実してまーす。飛行機ヘリコプター関連が充実してました。
★まだまだたくさんの展示、イベント、見どころがあります。
これから打ち上げになる、SPRINT-A、ASTRO-H、ベピ・コロンボの模型もありますし、はやぶさのカプセル回収時の防護服(地味です)もありますし、もちろんイプシロンの模型もあります。グッズも中身で勝負といった感じです。関係者も(自分も)買っちゃったっていう物がありますのでお楽しみに。
さらにJAXAや宇宙フォーラムから会場に来られているスタッフの方との会話も楽しいです。なんといっても今行われているのが宇宙航空の世界会議。ですから、え、テレビで見たことがあるあの方が…なんてこともあるかもしれません。
★会期もあと僅か。ご都合の許す方は、ぜひぜひお越しくださいませ。