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記事掲載: 2017年08月04日
記事更新: 2025年03月17日
◓2017年8月8日未明の部分日食は、東海地方は台風のため見られませんでした☂
晴天に恵まれた広島市こども文化科学館からご提供いただいた写真です。
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◓1993年から2030年の月食の記録はこちらです。名古屋での状況もご覧いただけます。
以下は、月食前の内容です
◓月食が起きるのは8日の未明、すなわち7日の夜からです。8日とだけ覚えておいて、8日の朝に起きるともう終わっています。台風の動向が心配ですが、晴れそうな地域の方は、7日の夜に目覚ましをセットするか、夜更かししてください。なお、月食の進行時刻は全国どこでも同じです。日食と違って特別な道具は必要ありません。欠けている様子は肉眼で十分にお楽しみいただけます。もし双眼鏡などをお持ちでしたら、大きく月をご覧いただけます。
◓日食や月食は、太陽・地球・月が一直線に並んだときに起きます。月は普段から、満ち欠けをしています。このときは太陽の光が当たっている側が明るく見え、反対側が暗く見えます。それに対して月食は満月の夜の丸い月が時間の経過とともに欠けていき、やがて元に戻る現象です。
◓月の欠け方は、普段の満ち欠けによるものと月食のときでは雰囲気が違います。月食の時に暗くなっている部分は地球の影です。そして欠け際がぼんやりしていますね。地球の影と書いてある月面から地球を見ると、地球が太陽を全部隠している皆既日食になっています。ぼやけたような部分は半分太陽が見えている部分日食になっていて、やや暗いということが起きているのです。
◓2017年8月の一般投影は「アメリカ横断日食」です。日本時間で8月22日、地球の向こう側のアメリカで皆既日食が起きます。8月8日の部分月食はこれと対になる月食なのです。
◓日食と月食は太陽と地球と月が一直線に並んだときに起きます。月ー地球ー太陽の順番の場合は月が地球の影の中に入る「月食」、地球ー月ー太陽の順番の場合は月の影が地球に落ちる「日食」になります。
◓地球の軌道面と月の軌道面が傾いているため、普段は月が地球の影に入ったり(月食)、月の影が地球に落ちたり(日食)しません。しかしこの図の中央上や中央下に地球が来たときには、太陽、月、地球が一直線に並ぶ可能性があります。一周が一年ですから半年ごとに月食や日食が起きる位置関係になるのです。 今回の8月8日の部分月食は、来る8月22日の皆既日食とのペアの月食。時間的にもラクではないですし、地味な部分月食ですが、そんな意味もあるのです。
◓この20年、地球全体での日食と月食を表にしました。地球全体では日食のほうがたくさん起きます。しかし日食は月の影が通る地域だけでしか見られません。一方、月食は、影になった月はどこから見ても暗くなっていて、その時間帯に夜になっている広い地域で見ることができます。そこで、名古屋から見える日食・月食を数えてみると(丸印)、日食の9回に対して月食は20回。そういえば月食のほうなら何度か見たことがある、、、という記憶とも繋がるのです。
◓1993年から2030年の月食の記録はこちらです。名古屋での状況もご覧いただけます。