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updated 2001.11.2

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■コンピューター・グラフィックスで見るしし座流星群

 名古屋市科学館は、名古屋大学や宇宙科学研究所との協力により、話題の天体現象をコンピューター・グラフィックスでわかりやすく可視化してきました。今回のしし座流星群についてもプロジェクトを組んで制作しました。1994年のシューメーカー・レビー第9彗星の木星衝突から始まったこのプロジェクト(The ZAKKYO Project)の作品は今回で4作目(SL9木星衝突土星の環の消失ヘール・ボップ彗星しし座流星群)になります。社会教育を実践している名古屋市科学館天文係のスタッフと、CGにによる可視化や教育分野への活用を研究している名古屋大学情報文化学部のスタッフ(安田孝美、山本晃裕,寺澤光芳)、太陽系天体などの軌道運動を研究している宇宙科学研究所のスタッフ(吉川真)。それぞれの専門分野を生かし、共同作業によって作り上げたものです。
98年版は日経サイエンス主催のCG論文コンテストで賞をいただきました。

 様々な改良を加えた99年版を作成しました.名古屋市科学館のプラネタリウムでは、11月に最新版CGを活用してしし座流星群を特集します。
 本来の映像はフルカラーフルモーションのムービーです。また作曲家の大河内俊則氏によるすばらしい楽曲がついています。これは名古屋市科学館のプラネタリウムでご覧下さい。また、全国各地で行われるしし座流星群関係の講座などで見られるかもしれません。

MPEGフォーマットの動画を公開しました。このページの一番下をご覧下さい。

 このCGに関するお問い合わせは、mailto:astro@ncsm.city.nagoya.jpまで。

    98年版はこちらでご覧いただけます。


■宇宙空間から見るしし座流星群

 しし座流星群の母彗星、テンペル・タットル彗星と惑星軌道などとの位置関係を可視化しました。全て科学的なデータに基づいて制作していますので、太陽系天体の軌道はもちろん星座も正しく表現されています。画像をクリックすると大きくなります。

遠方から見た太陽系と

テンペル・タットル彗星の軌道(緑色)

地球軌道との交差点(降交点)を通過する

テンペル・タットル彗星

テンペル・タットル彗星と地球軌道の交差点(降交点)を通過する地球。このときしし座流星群の流星が見られる。このシーンは1998年の11月17日の位置。
1999年の11月17日に再び地球が降交点を通過する。その時テンペル・タットル彗星はすでに木星軌道よりも遠方にいる。
母彗星がたった1年でこんなに遠くへ行ってしまうのは、近日点付近での速度が速いからである。目盛りは降交点通過から1年おきの彗星の位置を表している。
1999年11月17日午前4時頃の地球。右から秒速42kmで流れてくる流星物質のチューブの中に入っている。日本は夜明け前に地球の進行方向(右、秒速30km)に向く。
1999年11月18日午前4時頃の地球。日本が再び流星物質の流れてくる方向に向く。
どちらの日が多いかは、神のみぞ知るところ。
流星物質の流れに対して地球の後方から望む、宇宙空間でのしし座流星群。宇宙空間での放射点はししの背中の上に位置し、地上での放射点は、時刻によっても異なるが、ほぼししの頭に位置する。地上では地球の公転運動が加わり見かけ上、放射点が天頂に近づく。

 


■流星群進化のコンピューター・シミュレーション

 右の太陽(黄色)を中心に太陽系を見下ろし、その軌道上で流星群の進化をシミュレーションしました。青い丸がテンペル・タットル彗星、その前後の白い点が放出された粒子。数字は経過年数です。
 彗星本体はいわゆる汚れた雪だるまと呼ばれる氷と岩石粒子からできています。彗星が太陽に近づくたび、氷がとけて粒子が放出され、これが地球に飛び込むと流星として見えます。その粒子の放出速度は彗星自身の速度の千分の一程度と小さく、彗星の軌道とほぼ同じ軌道を周回しながら前後にだんだん離れていきます。その進行具合は、放出速度と彗星自身の軌道(特に周期)に依存しますが、放出速度はかなりおおざっぱな推定値になります。今回のシミュレーションでは、33年の周期を持つ彗星に火星軌道より内側に入る(=太陽に近づく)たび、粒子を秒速12mで放出させてみました。また放出の方向はランダムです。
 放出時期と方向により加速された粒子は、遠日点付近で彗星より遠くまで行く軌道を持ち、その結果周期は長く(=彗星よりも後ろへ行く)なります。反対に減速された粒子は内側を回るため周期が短く(=彗星より前に行く)なります。

一周(33年)毎に粒子が母彗星の前後に広がっていく様子。

母彗星が太陽の近くを通過する際に、流星物質の列が長くなる様子。

シミュレーション開始から500年経過後。流星物質の列はまだつながっていない。
しし座流星群の場合もこのような状況に近いと考えられる。
右は降交点通過から1年単位で目盛りを打ったもの。

 


■流星を降らせるコンピューター・シミュレーション

 宇宙空間での流星物質の密度を初期値とした、流星群シミュレーションを行いました。
粒子密度に従って、乱数で粒子を発生し、地球大気に飛び込ませて発光させ、観測者から見えたものだけをソフトウエアでカウントするという方法です。ただ何万個降らせるという方式ではないため、同じ空間密度=同じ夜に6等級の星まで見える理想的な条件と、街中の明るい夜空での見え方を比較することが出来ます。
 これは動画でないと見え具合を再現できないため、このページでは各種パラメーターを記すのみにします。ぜひ名古屋市科学館でご覧下さい。また下の方にMPEGファイルを用意しました。

●発光高度
  120km〜80km(-3〜-1等)
  110km〜80km(0等)
  100km〜80km(1〜4等)

●発光時間
  0.75秒発光 典型的な流星の発光パターン。

●流星の明るさ
  -3等から4等級を描画。光度関数は1.5。観測者から流星の発光点の距離を考慮して、
  遠方の流星を暗くし限界等級以下の流星をカット

●粒子分布の初期値と結果(全天H.R.)

空間密度(100km立方にX個) 0.05 0.97 9.6
山奥H.R.(星=6等、流星=4等) 500個 1万個 10万個
街中H.R.(星=3等、流星=2等) 約150個 約3000個 約3万個
過去との比較 1998 ? 1833 ? 1966 ?
          
数字上、街中では1/3になりますが、暗い流星が減るだけで、1万個以上の大出現における派手さ?はあまり関係ないようです。


■しし座流星群C.G. Movie

 今までご覧いただいた映像の元は、フルサイズ・フルモーション・フルカラーの動画(Quicktime Movie)です。インターネット上では本来のクオリティでご覧いただけないのが残念ですが、とりあえず、MPEGバージョンを公開します。
静止画や配布バージョンと内容が少々違いますが、ご容赦下さい。

各シーンのサンプル

シーン1

MPEG 8MB

シーン2

MPEG 9MB

シーン3

MPEG 4MB

シーン4

MPEG 5MB

流星シミュレーション

 解像度が足らないため、

 かなり見にくくなっています

 雰囲気としてご覧下さい。

それぞれの数字(H.R.)をクリックして下さい。
約2MBのMPEGムービーをご覧いただけます。

空間密度(100km立方にX個) 0.97 9.6
山奥H.R.(星=6等、流星=4等)
 南東方向(しし座が中央)

1万個

10万個
 北西方向(北斗七星が中央)

1万個
  北斗七星拡大

10万個
 南西方向(オリオンが中央)

1万個
  オリオン拡大

10万個
街中H.R.(星=3等、流星=2等)
 南東方向(しし座が中央)

約3000個

約3万個


また、教育普及や放送のためのビデオコピーにも対応できる場合があります。
このCGに関するお問い合わせは、mailto:astro@ncsm.city.nagoya.jpまで。


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