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スーパーコンピューター「京」

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展示作品の狙い

 スーパーコンピューター、いわゆる「スパコン」は、シミュレーションの世界で活躍し、天気予報、地震・津波予測、創薬などに役立てられています。
 この展示では、2019年8月まで稼働していた理化学研究所のスパコン「京(けい)」の実物「筐体」を展示し、「京」の機能を紹介しています。

知識プラスワン

□「京」とは
 「京」は、兵庫県神戸市にある理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS)において、2012年9月から2019年8月までの約7年にわたって活躍したスーパーコンピューター(いわゆるスパコン)です。その計算能力は、一秒間に一京回=10,000,000,000,000,000回です。これは地球上の全人類70億人が1秒間に1回計算したとして17日もかかる計算量です。

□「京」の大きさ
 「京」は、縦横約1m高さ2mの大きさの「筐体」と呼ばれるものが864個相互に接続されています。筐体1
つは1トンもあり、24枚の「システムボード」、通信・記憶装置、冷却装置や電源などがつまっています。全体で使われている電線は20万本以上、合計では1,000km以上!864個の筐体を収める部屋は1本も柱のない50x60mもの広さを持つ部屋です。「京」の稼働中には莫大な熱が発生するため、部屋を冷やすためのエアコン設備の専用の建物が必要なほどです。

□なぜここに?
 864個の筐体は個別に動かす設計にはなっていません。利用を終わった「京」をスパコンとして再利用するならば、収納する部屋、建物、設備を用意して864個の筐体全部を引き取る必要があるのです。残念ながらそれをしようという機関はありませんでした。
 そこで理化学研究所では、「京」の実物を科学館等に譲渡して実物展示を行うと同時に、「京」の能力やスパコンの用途などを説明することにしました。その結果、現在では当館を含む国内全10館の科学館等に譲渡・展示されています。

□「京」のすごさ
 いわゆるパソコンにはCPUが1つ入っていますが、「京」の筐体1つにあるCPUは100個近くです。それだけでも計算能力はすごそうですが、真のすごさは、CPUの速さというよりもCPUどうしが通信しあい、同時に膨大な量の計算を進められることです。864個の筐体を持つ「京」全体では、CPUは8万個もあります。これだけの数のCPUに効率良く計算を進めさせるため、相互の通信の方法や計算ソフトウェアの方にも画期的な技術が投入されている、というところが「京」の真のすごさの一つです。

□受賞歴
 世界のスパコンの性能を評価する賞などはいくつかありますが、「京」は次のように受賞しています。
TOP500
 2011年6月・11月 1位
 2012年6月 2位
 2012年11月 3位
HPCチャレンジ賞クラス1
 2011年、2012年、2013年、2014年 
HPCチャレンジ賞クラス2
 2013年
ゴードン・ベル賞
 2011年、2012年 
Graph500
 2014年と2015年7月〜2019年6月9期連続1位

□ポスト「京」
 「京」の次のスパコンは「富嶽」。「京」の100倍の性能を目指し、2020年4月から試行運用、2021年には本格的に運用されます。2020年6月にはTOP500で1位、その他、HPCG、HPL-AI、Graph500というランキングでも1位を獲得しました。

 


【 参考資料 】

■参考資料
理化学研究所「京」ウェブサイト https://www.r-ccs.riken.jp/jp/k/
富士通「京」ウェブサイト https://www.fujitsu.com/jp/about/businesspolicy/tech/k/
理化学研究所「富岳」ウェブサイト https://www.r-ccs.riken.jp/jp/fugaku

□著者 学芸員 小塩哲朗

 

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