名古屋市科学館

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透明人体(男性像)(女性像)

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展示作品の狙い

透明な人体模型(男性像・女性像)の台のボタンを押すと、対応する臓器が光り、位置や形を知ることができます。
 左の男子像は主に筋肉(皮膚に近い部分:
右半身、深い部分と骨格:左半身)・心臓・血管を表し、管のランプの色の違いは流れているものの違いを意味しています(赤:酸素が多い血液 緑:酸素が少ない血液 黄緑:空気、黄:尿)。
 右の女子像は骨格・内臓・はりめぐらされたおもな血管・神経系、リンパ系のようすなどを表しています(細い線の色は赤:動脈 青:静脈 黄:神経系 緑:リンパ系を意味しています)。
スイッチの印は
★印:背中側から見たほうがわかりやすいもの、●印:他の部分にかくれてわかりにくいもの
を表しています。
また、展示ケースにはスイッチを押しているときに模型の正面以外の部分も見やすいようミラーシートがついています(男子像:右半身の横の壁と上部、女子像:背面のガラス)。
※1989年の名古屋市科学館「生命館」開館のときに設置された模型を再利用し、男子像、女子像の寄贈者(当時)も明記されています。
[旧展示との違い]回転・点滅する機能と、音声解説はなくなりました。

知識プラスワン

【知っているようで知らない臓器の位置】
 人体の臓器の位置は案外知っているようで誤解しているものです。
 ボタンをおして、光っている臓器は、自分が思っているより高い所にあったり、おなか側にあると思っていたら、実はけっこう背中よりにあったりしたのではないでしょうか。

【人体は内部も個性的】
 外から見た顔や体つきがちがうように、人体の内部も人それぞれ個性的です。
 例えば、おとなの男性では筋肉が大きく立派なことは日常経験していて想像がつくことですが、骨も女性より一般的に大きく太くなっています。しかし、同じ男性の中でも違いがあることはちょっと考えればわかるでしょう。もちろん女性と男性の違いは臓器1つ、骨1つをとってもかなりはっきりわかります。
 模型で見る人体はあまり多種類を見ることができないため、すべての人が同じような体をしているように思ってしまうかもしれません。しかし、模型は1つの例であり、どんな人もこれと全く同じということはありません。私たちの生きた体は、世の中に全く同じものが存在していないのです。こんなによくできた、たった一人自分だけのものがすぐ近くにあることを忘れないでください。
【以前の模型の再利用】
 これらの人体模型は平成元(1989)年の生命館開館当時に協力者の寄贈により設置されました。当時は、ボタンを押すと臓器のランプがしばらく点滅し、「解説」のボタンを押すと音声解説に合わせて順番に各部が光る機能があり、正面以外にも向きを90度ずつ変えることができました。平成28(2016)年春に「人体のふしぎ」展示室改装のために取り外して保管しておき、ボタンを押すと対応する臓器が光る機能だけを残し、スイッチや展示ケースを新しく作って再び展示しました。

 


【 参考資料 】

協力(寄贈)
株式会社 東海銀行
株式会社 スズケン

参考資料
Newton別冊 体の科学知識 体質編 (2018年) ニュートンプレス 
Newtonライト 筋肉のきほん (2019年) ニュートンプレス
人体のふしぎな話 365 (2014年) 坂井建雄 (ナツメ社)
改訂版 フォトサイエンス生物図録 (2007年)  数研出版
実物大人体図鑑 1筋肉 (2010年)  坂井建雄 (大日本印刷) 
実物大人体図鑑3内臓 (2010年)  坂井建雄 (大日本印刷)
大自然のふしぎ 人体の図詳図鑑(1994年)(学習研究社)

解剖学アトラス(1984年)越智淳三(文光堂)

生物学辞典第3版(1983年)(岩波書店)

人体のしくみ(1994年)坂井建雄(日本案業出版社)

Imidas1991別冊 人体アトラス(集英社)


文:学芸員 堀内智子

 

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