名古屋市科学館

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展示ガイド

人体ランニング

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展示作品の狙い

 大きなスクリーンには競技場のアニメーション映像が流れています。スクリーン前の床には4つの足あとマークがあります。そのうち1つを選んで上に立つと、それぞれ自分の前に全身の「骨」・「筋肉」・「神経」・「血管」のイラストが表示されます。自分の体(腕)を動かしてみると、それに合わせてスクリーンに映るイラストの腕も動きます。
 スタートの合図後に腕を動かすと、スクリーンの中の人体も走り出します。
 このとき、5つのレーンのうち、真ん中のレーン3は「お手本」が走ります。そのペースに合わせて自分の前のイラストが走るように腕の振り方を調節してください。ゴールしたら、最後にペースに合っていたか評価も表示されます(すばらしい(★3つ):金メダル、よくできました(★2つ):銀メダル、がんばったね(★1つ):銅メダル)。
 体験中にスクリーン上部には「骨」・「筋肉」・「神経」・「血管」の解説映像4つも流れており、展示の背面には、運動や筋肉についてイラスト付きの解説もあります。
 自分の体を動かして体験を楽しんだあとは、この「人体のふしぎ」フロアの他の展示品を見たり体験したりして、知らないうちに働いてくれている自分のからだについて、考えてみてください。
 なお、うまく体験するためにはいくつか注意点があります。一度に体験できるのは4人までです。また、1つの足あとマークの上に立つのは1人だけにしてください。体験している人とスクリーンの間や周りに別の人がいるとうまく動作しない場合があるため、待っている人は左右の仕切りの外や足あとマークより後ろに離れてください。
 また、服装の形や色などによっては姿勢や動きが装置で読み取れず、うまく体験ができない場合があります。

知識プラスワン

【人体でどこが一番?】
 一緒に体験する人がいると、どのレーンの人体が一番うまく走るか、競争したくなります。判定はどうなったか、結果を比べて楽しんだり、少し悔しく思ったりした人もいたでしょう。この展示品では、レーンは4つだけで、受付からゴールして判定までが2分もない短い間に終わります。でも、実際の人体では、もっとたくさんの器官や組織すべてが一日中、協力しあって大変うまくはたらいています。いわば、毎日どのメンバーもちょうどよい金メダルになる最高のチーム、それがあなたのからだなのです。

【練習で運動がうまくなるのは?】
 運動をすると、体の各部からは動きや体の位置などの情報が、中枢神経系(脳や脊髄)からは体を動かすための命令が次々と伝えられます。練習をすると情報や命令を伝える神経細胞やそのつながり方が変化して伝わり方がよくなります。また、間違った動きをしても、すぐに直せるようになって上手な動きができるようになると考えられています。

【運動をすると筋肉が太くなるのはなぜ?】
 筋肉は「筋線維」という細い糸のようなものが束になっています。
筋線維はさらに細い「筋原線維」が集まったものです。筋原線維は2種類あり、それぞれ「アクチンフィラメント」と「ミオシンフィラメント」といいます。
 筋肉が縮むときは2種類の筋原線維がお互いの間にすべりこみ、筋肉がゆるむと、それぞれの位置がもとにもどります。トレーニングで筋肉が太くなるのは、筋原線維がたくさん作られるからと考えられています。

文:学芸員 堀内智子

 


【 参考資料 】

Newton別冊 体の科学知識 体質編 (2018年) ニュートンプレス 
Newtonライト 筋肉のきほん (2019年) ニュートンプレス
人体のふしぎな話 365 (2014年) 坂井建雄 (ナツメ社)
改訂版 フォトサイエンス生物図録 (2007年)  数研出版
実物大人体図鑑 1筋肉 (2010年)  坂井建雄 (大日本印刷) 
実物大人体図鑑3内臓 (2010年)  坂井建雄 (大日本印刷)

 

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