名古屋市科学館

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自分の触覚を試してみよう

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展示作品の狙い

 台の上に3つの手形が光っています。そのうち1つに手をおくと、それぞれ虫、炎、氷が手や腕に登ってくるような映像が投影されます。そのとき、虫の動く感触や温かさ、冷たさなど実際にはない感覚が生じます。
触覚、温度の感覚などが視覚(目で見たもの)によって影響を受ける例を紹介しています。
 何人かで試してみると、どのような感覚をどれくらい強く感じるか、人により違うこともわかるでしょう。

知識プラスワン

【さわっている感じはどう伝わるの?】
 皮膚からは温度や振動、圧力などの刺激の情報が伝えられています。
皮膚にある感覚小器官が、熱い・冷たい・痛い のほか、刺激を種類別に受け取っていると言われています。
 これらの情報は中枢神経系(脊髄や脳)に伝えられます。

皮膚の感覚小器官
(表皮)
1 マイスナー小体(さわっている)
2 自由神経終末(温・冷・痛覚)
3 メルケル細胞(さわっている)
(真皮)
4 ルフィニ小体(ひっぱられている)
(皮下組織)
5 パチニ小体(押されている)
6 毛包受容器(毛の動き)

【においや味はどう感じるの?】
 嗅覚(鼻)や味覚(舌)は鼻粘膜の粘液や、唾液にとけた物質がどんなものかを伝えます。
 鼻の中にある嗅細胞や舌の味蕾にある味細胞の表面にある「受容体」に物質が結合します。このとき、物質の種類によって結合する受容体はいろいろな種類があります。どの種類の受容体がはたらいたかと、その組み合わせで、どんな物質なのかということが伝えられます。


【どうして錯覚がおきるの?】
 実際にはない感覚を感じる理由はまだ研究中です。刺激や錯覚の種類が違えば、理由も同じとは限らないでしょう。
 「脳がそのように理解して受け止める(=解釈する)から」と説明されることがあります。脳にすべての情報が届けられない場合に、足りない情報を脳が経験などをもとに補っているというものです。

 


【 参考資料 】

文:学芸員 堀内智子

<参考資料>
心理学 超入門 NEWTON 2019年12月号(ニュートンプレス)
脳が「錯覚」を作り出す 日経サイエンス2019年12月号 A.K.セス(ニュートンプレス)
Newton別冊 人体図 (2015年) ニュートンプレス
プロが教える脳のすべてがわかる本 (2011年) 岩田誠:監修 (ナツメ社)
マンガでわかる 人体のしくみ (2012年) 坂井建雄 (監修)、沢田麻間(画)、サイドランチ(画)(池田書店)
NEWTON別冊 感覚-驚異のしくみ (2016年) (ニュートンプレス)
だまされる目 錯視のマジック(子供の科学★サイエンスブックス)(2009年)竹内龍人(監修)(誠文堂新光社)
だまし絵の不思議な世界 誰でも描ける・へんな立体が作れる(子供の科学★サイエンスブックス)(2011年)杉原厚吉(誠文堂新光社)

 

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