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展示ガイド

消化器ギャラリー

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展示作品の狙い

 消化・吸収・排出にかかわる器官や組織の画像を見てそのつくりの精巧さやふしぎさを学ぶことのできるコーナーです。
 壁面に大きく展示された画像14点と、周囲に2つの解説、そしてデジタルフォトフレームで表示される画像や動画で構成された展示です。

知識プラスワン

 大きな画像について紹介しておきましょう。

● 内視鏡で見る人体
 内視鏡は、細い管を口や鼻、肛門などから消化管などにさしこんで、中のようすを撮影することができます。
 体に傷をつけることなく検査ができ、管の中に手術器具を組み込んで、検査と手術を同時に行えるものもあります。
 最近では使用する光の波長を工夫して病変を見つけやすくするものや、カプセル型のカメラを飲み込んで無線で画像を体外の受信機に送るものも開発されています。

●(1)-(3):内視鏡で撮影した胃の粘膜
(1)胃体部小弯(いたいぶしょうわん)
(2)胃体部大弯(いたいぶだいわん)
(3)幽門(ゆうもん:胃の出口)
 内視鏡で撮影した胃の写真です。健康診断で口や鼻から入れて行う「胃カメラ」の検査でおなじみですね。

●(4)-(6):内視鏡で撮影した大腸の粘膜
(4)回盲弁(かいもうべん):小腸(回腸)と大腸(盲腸)の間にある弁。バウヒン弁ともいう
(5)横行結腸(おうこうけっちょう):大腸のうち腹部を右から左に横に走る部分
(6)直腸(ちょくちょう):大腸のうち肛門に最も近い部分
 こちらは肛門から入れて検査する内視鏡で撮影した大腸の写真です。

● 人体を中と外から見る
 X線CTは人体にいろいろな方向からX線をあてて撮影した画像を、コンピューターで処理することで体内のある断面を表すことができます。
 ここで展示しているのは0.5mm間隔のCT画像を積み上げて、仮想的な3次元の人体となるよう処理したものです。

 ※CT: Computed Tomography(コンピューター断層撮影法)

●(7)-(9):腎臓付近のCT画像と仮想化した3次元の立体
 体内の物質の濃度を調節している腎臓のまわりには、複雑な血管がたくさんあることがわかります。腎臓の内部にはさらに細かい構造が詰まっています。

●(10):臓器の大きさ、形、そして位置は人により千差万別であることがわかる
 たくさんの人の体内のようすを画像処理して臓器がよく見えるようにしたものです。一人一人顔が違うように、臓器の大きさや形、位置がずいぶん違って千差万別であることがわかります。あなたのからだは世界にたったひとつ。あなただけの大切なからだなのです。

●(11)(12):仮想化した肝臓全体と内部の血管
 同じように複雑な働きをする肝臓の中にある細かな血管のようすがわかります。

●(13):大腸を仮想的に平面状に切り開いた図
 広い範囲を画像処理の応用です。曲がった形の腸を見やすくしポリープなどを見つけやすくすることもできます。

●(14):胸部の連続CT画像(画像の上・下・左・右は人体の腹・背・右・左に対応)
 ひとりの人の胸付近のCT画像(体の「輪切り」)を多数並べたものです。連続した断面から、どんな位置にどんな臓器があるかをよみとることができます。

画像提供
(1)-(6):名古屋市立大学 消化器・代謝内科学教室
(7)-(9),(11)-(14):名古屋大学 森健策研究室
(10):名古屋大学 森健策研究室・文部科学省科学研究費補助金
新学術領域研究「計算解剖学」、「多元計算解剖学」

 


【 参考資料 】

解剖生理を面白く学ぶ(2008年)増田敦子(医学芸術社)
Newton別冊 人体図(2015年)ニュートンプレス
驚異の小宇宙・人体 別巻2ビジュアル 人体データブック((1990年)NHK取材班(日本放送協会)
実物大人体図鑑3内臓(2010年)坂井建雄(大日本印刷)
からだの不思議だれでもわかる解剖生理学(2000年)坂井建雄(メヂカルフレンド社)
シリーズ消化の旅(2016年)NEWTON
かがくゼミナール「立体臓器モデルを作ろう」実施報告(2017年)森健策ら(名古屋市科学館)
入門ビジュアルサイエンス人体のしくみ(1994年)坂井建雄(日本実業出版社)
驚異の小宇宙・人体3消化吸収の妙-胃・腸-、4壮大な化学工場-肝臓-(1989年)、別巻2ビジュアル 人体データブック(1990年)NHK取材班(日本放送出版協会)

文 学芸員堀内智子

 

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