科学館を利用する > 展示ガイド > 展示フロアマップ > 【骨と筋肉】球関節・鞍関節・蝶番関節
この展示品は撤去されました。現在はご覧いただけません。
私たちのからだには、200個余りの骨があります。骨と骨のつなぎ方には、いろいろな種類があります。骨と骨のつながる向きを変えて、体を動かすことができるようなつながり方が関節です。
関節にもいろいろな種類があって、動かせる範囲や動き方にもかなり違いがあります。
フロアに横たわる巨大人体の左肩(球関節)、右手の親指(鞍関節)、左ひざ(蝶番関節)の3か所で3種類の関節を動かしてみて、その違いを確かめてみて下さい。自分の体の様々な動きとも比べてみるとよくわかるでしょう。
また、これらの展示品では、人工関節に使われる材料も使用しています。
【球関節】
巨大人体の左肩の関節を見ると、ボールをおわんにはめたような形をしています(ペン立てに、これと同じような形のものがあります。)
肩の関節は、動かせる範囲の広い関節で、上下・左右のどららにもよく動き、前後にもかなりよく動かせるので、いろいろな向きにぐるぐる回せます。また、肩の関節は浅くはまっているだけですので、はずれやすい関節でもあります。
【鞍関節】
巨大人体の右手の親指の根元の関節を見てください。関節を形作る2つの骨の向き合うところは、ゆるやかなカーブをもっています。ちょうど馬の背にのせる鞍のようです。
親指の付け根は、肩の関節ほどにはいろいろな方向に動かすことはできませんが、他の指にくらべれば大きくよく動くことがわかるでしょう。
【蝶番関節】
巨大人体の曲げた左ひざにのぼってみて下さい。今度は、ひざの関節を調べてみましよう。他の関節と比べて動き方はどう違うでしよう?
ひざの関節がよく動くのは一方向だけで、形や動き方がドアを柱にとめる金具「蝶番」によく似ています。自分のひざでも、よく動くのはどの方向か、確かめてみて下さい。
【人工関節】
病気やけがなどではたらきが悪くなった関節のかわりに人工の材料で関節をつくることがありますが、そのための材料は、本物の関節のようになめらかに動き、安全で体に害がないものでなければなりません。また、つないだ骨となじみやすく、丈夫なことももちろんです。しかし、いくら丈夫でも、かたすぎると周りの骨まで削っていってしまいます。より本物の関節に近いものを作るために研究が進められています。
参考資料
からだを知る本(1)がいこつだぞ(1990年)山田均(草土文化)
解剖学アトラスI(1984年)(文光堂)
ドクター・トミーのからだの本(7) からだを動かずほねと筋肉(1994年)須田都三男(小峰書房)
imidas 1991別冊付録「人体」(集英社)
大自然のふしぎ 人体の図詳図鑑(1994年)(学習研究社)
NHK取材班驚異の小宇宙・人体5なめらかな連携プレー一骨・筋肉(1989年)(日本放送出版協会)
絵と文 学芸員 堀内智子