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展示ガイド

分光観測とスペクトル

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展示作品の狙い

 私たちが目にする天体からの「光」は、たくさんの色の光が混じり合ったものです。それぞれの天体の特長は、どの色の光を強く出しているかに現れます。
 光を何色にも分けて、どの部分が明るいか、暗いかを調べることを分光観測といいます。分光観測では、天体写真のような画像ではなく、たくさんの色をならべたスペクトルが得られます。そこからは天体の温度や、どんな物質があるかなど、様々な情報を読み取ることができるのです。
 この展示では、実際に天文観測に使われていた分光器で、光を分光し、スペクトルを眺めてみましょう。

知識プラスワン

【光を分ける】
 プリズム(または回折格子:以下同じ)に入った光は出ていくときに色が分かれます。これは、光が波の性質をもっているからです。波長の短い青い光はプリズムによって曲げられやすく、波長の長い赤い光は、プリズムによって曲げられにくい性質があります。色ごとに光の曲げられ方が異なるので、プリズムを通した光は色が分かれます(分光)。
【分光観測でわかること】
 上の理由から、天体の光も、プリズムなどで分光して観測することでスペクトルを得ることができます。恒星に含まれる原子の種類から吸収される光の色が、温度、圧力、密度から光の量が決まりますので、スペクトルは恒星の分類に使われています。
【分光器のしくみ】
 分光器は、スリットとプリズムもしくは回折格子からなります。スペクトルに現れる吸収線や輝線の幅(分解能)は、プリズムなどの設定とスリットの幅で決まります。そこでできるだけスリットを細くして、吸収線や輝線を細くし詳しく観察できるようにします。展示されている日本光学製分光器は赤い色の領域で1/10nm以下の波長の違いをみわけることができます。
【恒星のスペクトル型】
 スペクトルに現れる吸収線のパターンによって、スペクトルを分類することができます。スペクトルの分類には、表面温度が高い順番に分類したハーバード式分類(O,B,A,F,G,K,M)のあとに、恒星の本当の明るさを表す光度階級(I,II,III,IV,V)を添えた記号を使用します。例えば、シリウスは、表面温度は約1万度(A1型)と他の恒星に比べやや高めですが、主系列星(V型)と呼ばれる普通の明るさの恒星なので、スペクトル型はA1V型と分類されます。太陽は、G2V型です。

 


【 参考資料 】

参考資料
「宇宙スペクトル博物館<可視光編>」天空からの虹色の便り」 
 粟野諭美・田島由起子・田鍋和仁・乗本祐慈・福江 純 著 裳華房 ,2001
「宇宙の観測Ⅰ—光・赤外天文学」
   家 正則 , 岩室 史英、舞原 俊憲 , 水本 好彦 , 吉田 道利 編 日本評論社 ,2007
   
文 学芸課 天文係

 

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