名古屋市科学館

TOP(科学について調べる) > 天文情報 > 天文ニュース > ペルセウス座流星群_2022

ペルセウス座流星群_2022

2022年のペルセウス座流星群は終了です。研究・分類的には飛ばないことはないのですが、一般の方が見上げて楽しむ個数ではありません。来年以降をお楽しみに。

 
以下、過去の情報を含みます。

 

 

2022_perseids.jpeg

 

大気の断面図_カラー2.jpg

★彡2022年のペルセウス座流星群は、8月12日の満月の直後、ペルセウス座流星群を観察する夜半過ぎの時間帯に月明かりがあり、例年に比べて条件はよくありません。ただ流星群の夜には、街中でも月明かりにも市街光に負けない「すごいっ!」という流れ星がたまに飛びますので、ぜひおうちでひとつでも見えたら大喜びでチャレンジしてみてください。

 

★彡流星は上空100kmもの高いところで、地球の大気に宇宙空間から粒子が飛び込んで光る現象です。流星になる粒は彗星のかけらで、砂粒程度の小さなものです。ただし地球に飛び込んでくる時の速度は秒速何十kmにもなるので、もし直撃を受けたら大変。大気はそれを美しい流星に変えてくれます。私たちは地球大気のバリアで守られているのです。

 

★彡このように流星は雲よりもずっと上で光るので、曇ると見えません。天気予報を見ながら、流星がたくさん見えそうな、8月11日、12日。13日の夜の夜中すぎに見上げてみて下さい。いずれの夜も、夜半前はかなり数が少なくなります。そこで、ペルセウス座流星群の流れ星を見るのには日付が変わった真夜中(0時すぎ)から明け方(4時頃)までがオススメです。

 

★彡その時間帯に見上げると、このページ最上部の図のように、北東の空から四方八方に広がる向きに流れ星が飛びます。その中心がペルセウス座の方向にあるので、ペルセウス座流星群と呼ぶのです。ただしペルセウス座に流れ星が見られるわけではありません。ペルセウス座を気にせずに、夜空のできるだけ広い範囲を眺めるのが、流れ星をたくさん見るコツ。眩しい光の少ない、視界の開けた所でごろんと寝転んで見るのが最高です。

  

★彡快晴の山奥で、複数名で全天を見張って一つも見逃さなかったとしても、月明かりを考えると流星数は1時間あたり30個程度と予測されています。街中の空では暗い星が見えず、明るい星だけになりますね。流星も同じで、明るい流星だけが見られますので、数は数分の一となり、多くても5個程度になるでしょう。さらに後ろに飛んだ流星は見つけられませんから、ひっきりなしに次々と流れるわけではありません。10分や20分では1個も見られないかもしれないので、30分とか1時間とか、長い時間じっくり見上げてみて下さい。ただその街中で見える流れ星はよりすぐりの明るい流れ星です。

 

★彡いきなり見知らぬ場所へ夜中に出かけるより、近所で長い時間見上げるのが安心です。思わず声が出るような明るい流星が一つでも見えたら、それはもう宝物です。そういう明るい流星は街中でも月明かりがあっても、ちゃんと見えます。誰もがおおーっと声を上げたくなるような流星は1時間に1-2個。とにかく、その瞬間に、空を見上げていなければ、見られないのです。街中で見える数は少ないですが、見えるのは明るい流れ星ですので「数」は追わずに楽しんでみましょう。

 

★彡というわけで、新型コロナウイルス感染症対策で移動しにくい夏ですが、晴れれば流星群はおうちで楽しめます。気をつけるのは大声で騒がないこと。これは近所迷惑対策とコロナウイルス対策の両方に有効です。星座や方角なんて気にしなくても OK。道具も要りません。ただ気長に寝転んで見上げているだけで、流れ星が勝手に飛んでくれるのですから、お手軽でステイホームにも適した楽しみなのです。

  

004_d.jpg★彡流星は数mm程度の小さな粒が地球の空気に飛び込んで光る現象です。その粒を生み出すのは、すい星です。すい星の通り道には、その本体が壊れてできた、たくさんの小さな粒が、川の様に流れています。地球がその流れにさしかかると、粒が次々と地球にぶつかってきます。これが流星群です。
 ペルセウス座流星群の元のすい星は、スイフト・タットル彗星です。


meteor_2.jpeg

★彡左図のように、分類上はたくさんの流星群がありますが、そのほとんどは、1時間に数個というとても地味なものです。同じ彗星を母体とするものを「群」と呼ぶからで、群れをなして見えるという意味では無いからです。流星「群」という言葉の印象のように、次々と飛んで見られるのは、夏のペルセウス座流星群と冬のふたご座流星群、そして33年おきのしし座流星群(次は2030年代)です。

 

meteor_1.jpeg

★彡流星群には、流星のもとになる小さな粒が飛び込んでくる方向の星座名(例えばふたご座)がついています。しかしその星座の星が飛び込んでくるのではありません。流星は全天に飛びますから、もしその星座が見つけられなくても大丈夫です。

 

 

★彡流れ星が最も多く見える日時を極大と言いますが、これはあくまで予測で、一番多く見えた日は後日に決まるものです。さらにたとえ予測が正確に当たっても、その夜が曇ってしまえば、結果、その前や後の夜の方が流れ星がたくさん見られる訳です。日食などと違って、何時何分その時だけという現象ではありません。
ある1地点で見られる流星の数は、下記の3つの要素で決まります。
 1:地球が流星群の元になる粒の流れの最も濃い部分をいつ通過したか
 2:放射点の方向(○○座流星群の○○座)が、どれだけ高く空に昇っていたか
 3:天気や月や周囲の街明かり
 1を基に、流星群の日にちが決まります。2を基に何時ごろ見たら良いかが決まります。3は今年は月明かりがずっとあり、残る要素は天気予報ですね。あとは山奥へ行くかどうかですが、山奥に行っても月明かりはありますので、特別な動機がない限り出かける必要はなさそうです。ですので、1が日時で書いてある場合、その時刻が極端な場合、昼間だったりすると全く見えない訳です。そこで、プラネタリウムなどでは、これらを噛み砕いて、何日の何時ごろが良いですとお伝えします。

 

★彡2022年のペルセウス座流星群の場合は、1は13日の午前10時ごろと予測されています。これは昼間ですね。また2の放射点はいつもと同じく真夜中から明け方の時間帯に高く昇っています。さらに3の月明かりはその時間帯にずっとあります。ですので、今年は条件は良くないとなるわけです。あとはお天気。晴れた場合のベストは8月12日から13日にかけての夜の夜半すぎ夜明けまでとなります。また経験的に極大の前夜のほうが翌夜よりも数が多くなるので、12日から13日の夜が曇りそうなら、10日と11日の夜の夜半すぎをおすすめしています。

 

★彡 以下は昨年以前の映像です ★彡

 

名古屋市科学館屋上から超高感度カメラで捉えた、ペルセウス座流星群の明るい流れ星です。画面左のほうに流れます。街中で月明かりが有っても明るい流れ星を見ることができます。
できるだけ長い時間見上げるのが、このような明るい流れ星に出会うコツです。
2019年8月12日23時42分51秒 超高感度カメラSSC-9600 + Kowa f=5mm/F1.8

  

 

★彡ペルセウス座流星群の超高感度カメラによる映像です。音はありません。流星が見えた時を編集しています。左の塔の上にカシオペア座が見えます。その下の画面中央あたりに放射点があるので、そこを中心とし、四方八方に流星が流れます。  この1分間のビデオの中に、ペルセウス座流星群の流星が3つ(1:09:22 1:21:21 1:24:12)。関係ない流星(散在流星)が2つ(1:21:36 1:23:53)、飛行機(1:24:50)が最後に下から中央へ点滅しながら通過しています。

 もっとたくさん流星を見たい方は、こちらの10分バージョンをご覧ください。いずれもYouTubeのサービスを利用しています。

 

201008ペルセ群IMG_9569_crop.jpg

ペルセウス座流星群の流星 2010 08/13 3:39  EOS5D 17mmF4 開放 ISO800 30秒露出 (40mm相当にトリミング)

 

 63673main_image_feature_206_jwfull.jpg

ペルセウス座流星群の火球(とても明るい流星) 2004 08/12 3:17 EOS kissD 15mmF2.8 ISO800 30秒露出 ★彡 ★彡

 

 

▲ページ先頭へ