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ふたご座流星群_2016

2016年のふたご座流星群のピークは過ぎました。

次は、たくさんの流星を見られる夏のペルセウス座流星群をお楽しみに!

 

以下は過去の情報です。

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★彡 2016年 12月中旬午後10時頃の星空です★彡 
2016年のふたご座流星群は、ぴったり満月で、残念な条件です。

流星を待ちながら、冬の星座をお楽しみください。


★彡 寒い冬、街中でも星がきれいに見える時期になりました。冬の夜空を飾るふたご座流星群は、12月13、14日の夜がオススメ。ほぼ一晩中、普段より多く流れ星が見られます。今年は14日が満月で月明かりの影響が一晩中続く残念な観望条件です。ただし普段の夜や、もともと1時間に数個しか流れない他の(弱小?)流星群に比べるとずっと見る価値があります。1時間粘って、一つでも見えたらめっけもんというくらいの気持ちで見上げてみてください。思わず、うわー! と声を上げるような素晴らしい流れ星は、一晩に数個。その場合はこのページの一番下の写真のように月明かりがあっても、街中でもちゃーんと見られます。流星はいずれにしろ晴れないと見えませんので、13,14日の夜の天気予報が思わしくなかったら、その前の12日も数は少々ヘリますが、流星が見られます。日本気象協会の星空指数はこちらです。

 

★彡良く晴れていたとして、12月13,14日の夜中には市街地でも1時間に数個程度なら見られるでしょう。もし1時間あたりの流星数を5個とすると12分に1個の割合ですね。さらにそれが自分が見ている反対の方角かもしれません。そこで、できるだけ広い範囲を、楽な姿勢で、気長に見るのがコツです。 とにかく長い時間見ることが、すばらしい流星に出会える一番の近道です。六等星まで見えるような山間部でも今年は月明かりがあるので、1時間に15-20個程度となります。ただし冬期の山奥は道路が凍っていたりして危険が伴います。よく状況のわかっている近所でごらんになるのも悪くありません。

 

★彡 ふたご座流星群の流星は、宵空では東の空を中心に、夜中には真上を中心に四方八方に広がる向きに飛びます。向きは冒頭の図のように、ふたご座から広がる向きですが、現れるのは全天のどこかです。東だけではなく、いろいろな方向を見てみましょう。

 

★彡 明るい流れ星をたくさん見るコツは、楽な姿勢で、長い時間見上げることです。望遠鏡は要りません。視野が狭くなって流星が見えなくなります。できるだけ視界が開けていて、まぶしいものが近くにない暗い場所が良いです。安全面と健康面(じっとしていると寒いです)には、くれぐれもお気をつけください。

 

 

大気の断面図_カラー2-thumb-200x535-1656.jpg

 

★彡流星は100kmもの上空での現象です。宇宙空間から秒速数10kmもの猛スピードで飛び込んできた粒は、100kmあたりで急に濃くなる大気との衝突で、2700°Cもの高温になり、周りの空気もろとも光を放ち、蒸発して消えるのです。
 
 
このかけらがもしそのままの速度で落ちてきたら、痛いどころではありません。地球の空気はそのかけらを蒸発させて私たちを守ってくれます。さらにきれいな流れ星にして見せてくれるのですから、とてもありがたいことですね。大気の外にいる宇宙ステーションや人工衛星、未来の月面基地などでは、流星は怖い存在なのです












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★彡流星は数mm程度の小さな粒が地球の空気に飛び込んで光る現象です。その粒を生み出すのは、すい星です。すい星の通り道には、その本体が壊れてできた、たくさんの小さな粒が、川の様に流れています。地球がその流れにさしかかると、粒が次々と地球にぶつかってきます。これが流星群です。
 ふたご座流星群の場合は、その元のすい星は、太陽の周囲を何周もするうちに、すい星らしい尾を引いたりする、揮発性成分が無くなってしまい、小惑星ファエトンとして発見されました。ただし、過去に放出された粒は今も軌道に残っていて、流星群となっています。
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★彡左図のように、分類上はたくさんの流星群がありますが、そのほとんどは、1時間に数個というとても地味なものです。同じ彗星を母体とするものを「群」と呼ぶからで、群れをなして見えるという意味では無いからです。流星「群」という言葉の印象のように、次々と飛んで見られるのは、夏のペルセウス座流星群と冬のふたご座流星群、そして33年おきのしし座流星群(次は2030年代)です。
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★彡流星群には、流星のもとになる小さな粒が飛び込んでくる方向の星座名(例えばふたご座)がついています。しかしその星座の星が飛び込んでくるのではありません。流星は全天に飛びますから、もしその星座が見つけられなくても大丈夫です。
 
 
★彡流れ星が最も多く見える日時を極大と言いますが、これはあくまで予測で、一番多く見えた日は後日に決まるものです。さらにたとえ予測が正確に当たっても、その夜が曇ってしまえば、結果、その前や後の夜の方が流れ星がたくさん見られる訳です。日食などと違って、何時何分その時だけという現象ではありません。 
 
ある1地点で見られる流星の数は、下記の3つの要素で決まります。
 
 1:地球が流星群の元になる粒の流れの最も濃い部分をいつ通過したか
 2:輻射点の方向(○○座流星群の○○座)が、どれだけ高く空に昇っていたか 
 3:天気や月や周囲の街明かり 
 
 1を基に、流星群の日にちが決まります。2を基に何時ごろ見たら良いかが決まります。3は天気予報ですね。あとは山奥へ行くかどうかです。ですので、1が日時で書いてある場合、その時刻にとらわれても、極端な場合、昼間だったりすると全く見えない訳です。そこで、プラネタリウムなどでは、1と2を噛み砕いて、何日の何時ごろが良いですとお伝えします。 今回の場合は12月13日と14日の夜となり、流星は一晩中飛びます。月明かりは満月なので一晩中ありますから「いつでも良いです」となるわけです。
 
★彡また、流星群と言っても、ひっきりなしに流れ星が飛ぶわけでありません。もし快晴で、一つも見逃さなかったとしても今年の場合は、山奥では1時間に15-20個。空の明るい街中では4-5個程度。すなわち15分見ていて1個飛ぶかどうかです。ただし明るい流れ星は、山奥も街中も同じように見え、それはそれは感動モノ。一つでもいいから、きれいな流れ星が見えたら大満足、というつもりで、気長に待ちましょう。下の写真は名古屋の中心部で普段から星が見えにくいところで、さらにその下は月明かりの中での火球(明るい流星)でした。こういう明るい流星が見られると、たとえ、それが一個でも、ああ、見上げていてよかったと思うものです。
 
 
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2012年12月13日 22時39分 名古屋市東区にて Canon EOS kiss-D 15mmF2.8 F4 15秒 ISO100 
右上四角は流星部分の拡大、明るい星はシリウスです。クリックすると大きくなります。
 
 
20111215ふたご群火球.jpg

 

 

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