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展示ガイド

地下から地球を解き明かす-地震観測網-

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展示作品の狙い

これまで人類がが掘った最も深い穴は、深さ12262mです。それでも地球の半径約6400kmの0.2%にもなりません。その先に広がる巨大な地下の世界を知るために、地震波が使われていることを紹介します。


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知識プラスワン

【震源ジオラマ:震源分布から見えてくる地下の破壊現象】
 地震とは、地下の岩盤がずれて破壊されることにより大地が振動する現象のことです。日本周辺で発生した地震の震源分布を地球内部から見る“震源ジオラマ”を眺めていると、震源の多いところが面状に広がっていることに気がつくと思います。つまり、岩盤が破壊されやすい部分が面状に広がっているということになります。
 ところで、地球の表面が何枚かの岩盤の「プレート」に分かれており、それぞれが動いていることが地震の原因だということを聞いたことがあるでしょう。あるプレートが別のプレートの下に潜り込んでいる(subuct)場所では、プレートの境界面で岩盤どおしが擦れあうことで破壊が起こりやすくなります。
 では、硬い岩石でできているプレートが動くのはなぜでしょうか。それは、プレートの下(深さ100kmあたり)の岩石が比較的軟らかく流動性を持っているのからです。かと言って、ドロドロに溶けているわけではありません。岩石であっても、高温高圧下では長い時間をかけてゆっくり流動するようになるのです。つまり、硬いプレートが流動する物質の上に乗っているため、動くわけです。流動する物質は破壊しないので、地震は起きません。震源分布は、地下のどこで破壊が起こっているかを教えてくれています。
【地震波トモグラフィー】
 地震を詳しく調べると、地下深部を詳しく知ることができます。
 人体の中がどうなっているか調べるのには、X線や超音波などの体内での通りやすさを調べ、コンピュータで処理して断面図(CT=Computed Tomography)をつくることが行われることはご存じでしょう。
 同じように、地球内部については、地震波の伝わる速度を調べて、コンピュータで断面図をつくります。これを「地震波トモグラフィー(seismic tomography)」といいます。日本では多くの地震計が整備されているため、地下の構造がよく調べられており、沈み込んだプレートが地下に溜まっている様子が分かるようになっています。
【震源シンフォニー:地震の規模と発生深度で音をつけてみると】
 日本付近で一定期間に観測された地震について、そのマグニチュードによって音色を、その震源の深さによって音程を定め、時間を縮めて鳴らしてみたのが、この展示です。この不思議なメロディーをよく聞いていると、日本付近で地震がいかに頻繁に起きているかに驚かされるとともに、大地震発生後の余震の弱まり方など、様々なことに気づくことができるでしょう。
 この展示に用いられている観測データは、防災科学技術研究所が全国約800ヶ所の地下100m以深に地震計を設置し運営している「高感度地震観測網(Hi-net)」によるものです。この観測網は、人が感じないほど弱い揺れまで観測可能で、地震現象の解明を目指すとともに、日本列島周辺の地下構造推定に役立てられています。



【 参考資料 】

参考資料
地震・プレート・陸と海(1985)深尾良夫(岩波書店)
http://www.hinet.bosai.go.jp/
展示協力
海洋研究開発機構(JAMSTEC)
防災科学技術研究所
文 学芸員 西本昌司

 

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