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自然現象に見る数学

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展示作品の狙い

 自然の中には、少し特徴的な数学で表すことのできる現象があります。ひまわりの種のらせん構造や、複雑に入り組んだ海岸線、蜂の巣の構造などに、どのような数学が関係しているのでしょうか。

知識プラスワン

【フィボナッチ数】
 フィボナッチ数とは、最初に1と1があり、その後は前2つの数字を足した数というものです。具体的には、1、1、2、3、5、8、13、21・・・・・と続く数字です。
 自然現象に現れるフィボナッチ数に次のものがあります。ヒマワリの花の中で、種の並びは渦巻模様になっていて、その渦巻の腕の本数がフィボナッチ数になります。他にも松かさやパイナップルの鱗片(りんぺん)も渦巻模様になっていますが、その腕の本数もフィボナッチ数になります。
 フィボナッチは12世紀から13世紀にかけてイタリアのピサで活躍した数学者です。彼は「算盤の書」という本で、アラビア数字(現代の私たちが慣れ親しんでいる0から9までの数字)をヨーロッパに紹介しました。その本の中で「うさぎの問題」と言われる、うさぎのつがいがある条件のもとでどのように増えるのかという問題を出しており、その答えはフィボナッチ数になります。
 フィボナッチ数は、大きなフィボナッチ数になるほど、隣り合う2つの数の比が一定の値に近づき、極限値(どこまでも数を大きくしていった時の値)は黄金比になります。黄金比とは最も美しいと言われる数の比(およそ1:1.6)です。
【フラクタル】
 木の枝が樹木全体の形に似ていたり、複雑に入り組んだ海岸線が、一部分と、もっと大きな面積とを見比べたときに形が似ていたりするような、図形の部分と全体が相似になっているものをフラクタルといいます。
 フラクタルという言葉は、数学者ブノワ・マンデルブロ(1924-2010)が「折れた」とか「ひびが入った」を意味するフラクツスというラテン語から作ったもので、1977年に論文で発表しました。フラクタルは数学の概念なので厳密な意味では自然界にフラクタルは存在しませんが、よくあてはまる例として、人や動物の血管の分岐構造や肺の構造、山岳地形など自然界のあらゆるところに見出されます。
【充填(じゅうてん)図形】
 平面や空間を、一種類あるいは数週類の図形や立体だけで埋めつくすことができます。そのような図形を自然物の中に見ることができます。正六角形がすきまなく並んだ蜂の巣はその典型的なものです。玄武岩の柱状節理(ちゅうじょうせつり)も六角形がすきまなく並んでいます。
 正六角形以外に、一種類だけで平面を充填できる正多角形は、正三角形と正方形のみです。正多角形でなければ、一種類だけで平面を充填できるものには、平行四辺形を始め他にもいろいろとあります。複数種類の多角形であれば、様々なものがありますが、そのどれもが周期的なパターンで埋めつくされます。
 周期的なパターン以外に、非周期な充填図形もあります。イギリスの物理学者ロジャー・ペンローズ(1931年生まれ)が2種類の図形で非周期な平面図形を見出しました。その図形はペンローズ・タイルと呼ばれています。自然に存在する結晶はペンローズ・タイルに相当するような充填構造はないと考えられていましたが、1984年にペンローズ・タイルと同じ5回対称性を持つ結晶が発見され、準結晶と名付けられました。

 


【 参考資料 】

参考資料
視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録(2006)数研出版編集部(数研出版)
日常にひそむ数理曲線(2010)佐藤雅彦(小学館)
文 学芸員 山田吉孝

 

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