名古屋市科学館

科学館を利用する > 展示ガイド > キーワード検索 > 「な」ではじまるキーワード > キーワード【長さ】 > 自然を数字で表す

展示ガイド

自然を数字で表す

展示解説をPDFでダウンロード

S423-photo.jpg

S423-pic1-jp.jpg

S423-pic2-jp.jpg

展示作品の狙い

 科学はさまざまな自然現象を解き明かしてきました。その中でさまざまな物理量をどのように表すのかはとても重要なことです。長さや重さといった単位がどのように定義されているのかを知ってもらいます。

知識プラスワン

 1mという長さが地域によって違うとしたら、いろいろな面倒なことが生じます。また、長さの単位がメートルだけでなく、様々な単位が入り乱れていたら、混乱が生じます。単位をそろえるために、歴史上で非常に多くの努力がなされてきました。

【国際度量衡総会】
 長さや重さなどの単位を国際的に統一するために、1875年にメートル条約が17カ国の代表によって締結されました。日本は1886年に条約に加盟しました。メートル条約に基づき国際度量総会が開かれ、これまでに様々な単位に関する取り決めがなされてきました。
 度量衡(どりょうこう)とは、長さ・容積・重さのことです。

【国際単位系(SI)】
 1960年の第11回 国際度量衡総会において、国際単位系(SIと略します)を採択しました。SIは7つの「基本単位」と基本単位を組み合わせた「組立単位」からなります。7つの基本単位は次のとおりです。※なおこの文章中で「AのB乗」の意味で「A^B」と表記します。
 2019年5月20日に質量・電流・熱力学温度・物質量の定義が新しくなりました。130年にわたって質量の基準であったキログラム原器が定義から外れました。これにより、人工物を基準とした定義の時代が終わり、普遍的な定義を人類は得ることになりました。


・長さ メートル(m):光が真空中で1秒の299,792,458分の1に進む距離が1mと定められています。

・質量 キログラム(kg):プランク定数を6.62607015×10^−34 ジュール秒とすることによって設定される質量です。

・時間 秒(s):セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍の継続時間が1秒であると定められています。

・電流 アンペア(A):電気素量を1.602176634×10^−19 クーロンと定めることによって設定されます。1クーロンの電荷を流す電流が1アンペアです。 
         
・熱力学温度 ケルビン(K):ボルツマン定数を1.380649×10^−23 ジュール毎ケルビンと定めることによって設定さます。

・物質量 モル(mol):1モルは6.02214076×10^23の要素粒子を含むと定められています。

・光度 カンデラ(cd):周波数540x10 12Hzの単色放射を放出し、所定方向の放射強度が1/683W・(sr)^(-1)である光源の、その方向における光度が1カンデラと定められています。srは立体角の単位で、ステラジアンと読みます。

 


【 参考資料 】

協力
産業技術総合研究所 計量標準センター
情報通信研究機構 
参考資料
視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録(2006)数研出版編集部(数研出版)
著者 文 学芸員 山田吉孝

 

ページ先頭へ