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展示ガイド

転がる円盤

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展示作品の狙い

 重さも大きさも同じ円盤2つを斜面に転がすと、スピードに差が出ます。2つの円盤の違いは、円盤内部のおもりの取り付け位置です。どうしてそうなるかを考えてもらいます。

知識プラスワン

知識プラスワン
【2つの円盤の違い】
 斜面を使って、2つの円盤AとBを転がして競争させます。2つとも形も重さも大きさも同じです。違うのはおもりの取り付け位置です。Aはおもりが円盤の中心に集めてあります。Bは円盤の周辺部におもりが取り付けてあります。
【転がり落ちたときのエネルギー】
 先に斜面を転がり落ちるのは、おもりを円盤の中心に集めたAの方です。もし、2つが同時にゴールまで転がり落ちるとします。つまり、同じように加速し、同じ速度でゴールを通過するということです。その時、周辺部におもりを取り付けた円盤Bは、中心に取り付けたAよりも大きなエネルギーを持っていることになります。理由は次のとおりです。同じ速度のとき、周辺部と中心部とでは回転数は同じでも、周辺部の方が速い動きになります。速い動きということは、それだけエネルギーが大きいということです。同じ速度で回転しているのであれば、周辺部におもりが付いている方が、おもりがより速い速度で動いているのでエネルギーが大きいということになります。
【スピードに差がでる理由】
 同じ斜面を転がったのに、ゴール地点で片方が大きなエネルギーを持っているのはおかしなことです。同じ重さのものが、同じ距離を落ちた場合は、同じエネルギーを持っていなければならないのです。この矛盾を解消するためには、ゴールしたときの速度が2つの円盤で異なっていれば大丈夫です。Bの方がAよりもゆっくりした速度でゴールすれば、2つの円盤はゴール時に同じ大きさのエネルギーを持っていることになります。つまり、2つで競争すれば、先にゴールするのはAで、後からゴールするのはBになります。
【慣性モーメント】
 この実験で分かることは、同じ大きさ・重さでも重量バランスがことなれば、回転しやすさが異なるということです。回転のしやすさを表すのに『慣性モーメント』という物理量が使われます。慣性モーメントは回転の中心からの距離の二乗と重さを掛け算したもので表されます。

 


【 参考資料 】

参考資料
視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録(2006)数研出版編集部(数研出版)
文 学芸員 山田吉孝

 

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