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展示ガイド

飛行機

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展示作品の狙い

飛行機はあらゆる機械の中の「王様」です。だれでも、どこの国でも作れるというものではありません。機械工業の発達したいわゆる「先進国」でないと作ることができないといわれています。国力を示すバロメーター、それが飛行機づくりなのです。ここでは、中部地域と飛行機づくりをテーマとして解説します。

知識プラスワン

【中部と飛行機づくり】
中部地域は自動車製造の中心地であることはいうまでもありませんが、同時に、航空機*製造の拠点でもあります。国内の大手航空機メーカー3社の主力工場がこの地域に立地し、また航空機関連の中小企業も数多く東海三県に本社を置いています。その結果、わが国の航空機、部品生産額の50%以上をこの地域で計上しています。(*飛行機にヘリコプター、飛行船、気球なども含めたものを航空機と呼んでいます。)
【飛ぶ原理】
翼の形が重要です。断面でみると、上はふくらみのある曲線、下は直線に近い形をしています。実験の結果、翼の上に向けられた空気の流れは速く、下の空気の流れはゆっくりとしていることがわかりました。流れの速い部分は圧力が低くなる一方、流れのゆるやかな部分は圧力が高くなるという法則**があり、その結果、翼を下から上にもちあげる力が発生します。これを揚力と呼んでいます。飛行機の重さとのバランスで、飛行機は飛ぶことができるのです。(**ベルヌーイの定理といいます)
【飛行機をつくる素材】
巨大な機体を浮かせるために、軽量で壊れにくい素材が使われています。あらゆる産業で広く使われる鉄ではなく、アルミニウムに亜鉛などを加えたアルミ合金(ジュラルミン)が代表的な素材です。最近では、炭素繊維を使ったCFRPという素材を使うようになりました。自動車製造で使われる鉄(鋼)とは異なる理論、手法、技能で加工しなければなりません。
【安全性】
飛行機は安全性第一に作られます。自動車や鉄道は、異常があれば緊急停止すればよいのですが、飛行機ではフライト中のいかなる場合にもエンジンを止めるわけにはいきません。新しい試みよりも、確かな技術が優先されます。
たとえば、金属と金属を接合する際、自動車や鉄道で採用される溶接を行わず、リベットを打ち接合します。リベットは、以前、建築や造船で用いられた古い技術です。安全性を追求するためには、あえて古い技術、しかし確かな技術を優先します。
そして、信頼性。高度数千メートルの上空を時速1000キロもの速さで数十年間、飛び続けるためには、厳しい認証テストに合格しなければなりません。実験、実測が幾度となく繰り返され、安全性が確認されています。信頼性を獲得するには長期の確認作業が必要で、新規参入ができにくい特殊な業界なのです。
(一品生産)
自動車のように大量生産はしません。アメリカ・ボーイング社のB787の主翼生産が行われた際、生産設備を拡充し、月に10機の生産体制をとったことが報道されました。自動車が何万台も製造するのに対し、飛行機は数十機から数百機しか作りません。このような少量生産では、量産機械に頼らない手作りの作業が重要になってきます。たしかな技術、技能が求められているといえましょう。

 


【 参考資料 】

協力
三菱航空機株式会社
参考資料
世界航空機文化大図鑑(2003)R.G.グラント(東洋書林)
文 学芸員 馬渕浩一

 

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