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いろいろなポンプ

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展示作品の狙い

地表の水は蒸発して水蒸気となり、上昇し上空で雲をつくります。雲はやがて雨(水)となって地上にもどり、海に注ぎます。水は地球上で循環しているのです。「水のひろば」はこの大きな水の循環と水の性質について、さまざまな実験を通して知識を深めていただくためのものです。
ここでは「うみのステージ」の2つの展示を解説します。われわれが水を活用するために重要なはたらきをするポンプに関する実験です。


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知識プラスワン

<アルキメデスポンプ>
高い位置にある水を低い位置に移すことは簡単です。水路を作れば、低い所に水は自然に流れていきます。しかしその反対に、低い位置にある水を高い場所に移すとき、ポンプの力を借りなければなりません。
アルキメデスは紀元前3世紀のギリシアの科学者、工学者です。彼の生まれたシラクサの王・ヒエロン2世は、観光、運輸、そして海戦用の巨大な船「シュラコシア号」の設計をアルキメデスに依頼しました。シュラコシア号はあまりに巨大な船であったために、船に浸水して溜まった水を排出するしくみが必要でした。そこで、彼は円筒の内部にらせん状の板を設けたポンプを考案しました。これがアルキメデスポンプと呼ばれるものです。これを回転させると低い位置にある水を汲み上げ、上に持ち上げることができます。電気のない時代のポンプとして考えられたのでした。
<おうふくポンプ>
こちらは現代のポンプです。しかし、電気で動くポンプではなく手動式のポンプです。
レバーを左右に往復運動させることで、水をくみ上げます。
今レバーが右側にあるとします。レバーを左側に動かすと、弁が開いてポンプ内部の右側の部屋に水が入ります。今度はレバーを右側に動かしますと、右側の部屋にたまった水が押され、開いた弁が閉じ、レバーの軸の部分にある穴をとおって左側の部屋に移動するとともに、上の弁を開けて外に流れだします(図1)。
<かいてんポンプ>
これも現代の手動式ポンプです。ポンプの容器の中心と、回転レバーの中心がずれています。レバーを回転させると、ポンプ内にたまった水を可動板が押し出すようにはたらきます(図2)。かき混ざらないように液体を移動させたい場合、この回転ポンプが使われます。



【 参考資料 】

文 学芸員 馬渕浩一

 

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