名古屋市科学館

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展示ガイド

たこのダンス

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展示作品の狙い

 展示品のゴムのつまみを強くにぎりしめたり、離したりしてみましょう。水の中の「たこ」はどうなるでしょう。浮力(アルキメデスの原理)やパスカルの原理を応用した展示品です。
 なおこの展示は「なつかしの展示」の一つです。旧理工館が開館した1964年からずっと展示されている、名古屋市科学館で最も古い展示です。

知識プラスワン

【浮いたり沈んだりするしくみ】
 展示品のゴムのつまみをにぎると、その圧力は水のあらゆる方向に伝わります(パスカルの原理)。水を押し縮めることはできませんが、空気を縮めることはできます。それで、たこの中の空気が縮められ、浮力が小さくなってたこは沈みます。手を離すと圧力が低くなり、たこの中の空気ももとにもどり、浮かび上がります。このように空気の体積を変化させて、浮いたり沈んだりするようにしたものを、浮沈子(ふちんし)といいます。


 さて、水の中の物を持ち上げるのは、水の外で持ち上げるより楽であることは、みなさん、よく知っているでしょう。これは、物を水中に入れると、物がおしのけた水の体積の重さ分だけ、その物を上におし上げようとする力が働くためです(アルキメデスの原理)。この力を浮力といいます。浮力は、水の中だけではなく、すべての液体や気体の中でも働きます。

 同じ重さの粘土でも、丸いかたまりでは水に沈んでしまいますが、舟の形にすると水に浮かべることができます。おしのける水の体積がふえ、浮力が大きくなるからです。浮沈子の場合も、浮沈子全体(たこ+中の空気)の重さは変化しませんが、空気の体積が変化するので、おしのける水の体積が変化します。そのため浮力が大きくなったり小さくなったりして、浮き沈みします。


【浮き沈みするたこを作ってみましょう】


 (1)折り詰め用しょうゆ入れに、クリップなどをおもりとしてビニルテープでとめます。色をぬったり飾りをつけて、たこの人形を作ります。水面すれすれに、たこが浮かぶように、中に水を入れます。(しょうゆ入れのふたは、使いません。)


 (2)ペットボトルなどの空容器に(1)のたこを入れ、水をいっぱいに満たします。空気が入らないように、ぴったりとふたをします。


 (3)容器を手で強く押したり、離したりします。うまく浮き沈みしないときは、たこの中の水の量を調節してみましよう。


 


【 参考資料 】

参考資料
図詳エリア教科事典・物理(1988年)(学習研究社)

日常の物理事典(1994年)近角聡信(東京堂出版)
文 学芸員 石田恵子

 

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