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ボールコースター

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展示作品の狙い

 ボールがレールにのって転がっていきます。転がるコースの途中には、さまざまな仕掛けがあり、そこでのボールの動きを楽しんでもらいます。

知識プラスワン

 ボールの通り道の仕掛けにはつぎのような物理現象が関係しています。
【ループ】
 ボールが高いところから転がってきて、縦に一周するループがあります。ボールの速度がある一定以上でないとループを通過できません。ボールの速度が遅いと、ループから外れて落下してしまいます。ループを通過する速度を出すためには、ループの半径の2.5倍以上の高さからボールは落下しなければいけません。それより低い所から出発したのでは、ループを通過できません。ループと同じ高さは半径の2倍になりますが、その高さから転がしたのではループは通過できないことになります。
 ただし、2.5倍の高さというのは、摩擦や空気抵抗などがない理想的な条件のときのことです。実際には摩擦や空気抵抗で減速されてしまので、もっと高いところから転がさないとボールはループを通過できません。
【振り子の衝突】
 転がってきたボールが振り子に衝突して速度がほとんどゼロになり、下のレールに落ちるところがあります。振り子は1つでなく、3個が並んで接しながら吊るしてあります。転がってきたボールが左端の1つに衝突すると、衝突されたボールとその隣のボールは止まったまま、右端のボールが右側に振れます。このような現象を物理では運動量保存の法則で説明しています。
【放物運動】
 レールにのって転がってきたボールが、レールから離れて空中に飛び出すところがあります。そこでは、ボールは放物運動をします。放物運動とは読んで字のごとく、物を放り投げたときの物体の運動です。物理では、水平方向には速度が変化しない等速運動、縦方向には重力によって下方向に常に加速される運動と、2つの方向に分けて物体の動きを考えます。それにより理想条件の物体の動きを計算することができますが、実際には空気抵抗などで理想条件とは異なる動きをします。

 


【 参考資料 】

参考資料
視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録(2006)数研出版編集部(数研出版)
図詳エリア教科事典12物理(1988)(学研)
おもちゃの科学(1995)戸田盛和(日本評論社)
身近な科学ゼミナール(1983)橋本尚(講談社)
文 学芸員 山田吉孝

 

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