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展示ガイド

DNAってなんだろう

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展示作品の狙い

 この展示品では、地球上の全ての生物の生命活動に重要な役割を果たしているDNA(デオキシリボ核酸)の構造とはたらきについて学ぶのがねらいです。
 この展示品は大きく2つに分かれています。
[DNAの正体]
天井に届く大きな模型は、シンプルで美しいDNAの分子構造です。赤、黄、青、緑色のアクリル棒の配置に注目してください。どんなルールがあるでしょう。模型に続くグラフィック映像では、DNAのコピー(DNA複製)のようすを紹介しています。
[クイズDNA]
DNAは、今この時点でもあなたの体の細胞の中で働いています。いったい何やっているのか、クイズを楽しみながら、考えてください。

知識プラスワン

 最近「DNA」という言葉をよく耳にしませんか。DNAは、デオキシリボ核酸という物質のことで、遺伝子の本体物質です。遺伝子というと親から子へ遺伝情報を伝えるものというイメージかもしれません。しかし、遺伝子の役割はそれだけではありません。遺伝子には次のような二つの大きな役割があるのです。
 1つ目は、細胞分裂して新しくできるふたつの細胞にまったく同じ遺伝情報を確実に渡すために、DNAは、自分のコピーを作ります。これを「DNA複製」といいます。細胞分裂後の細胞が卵子や精子になる場合、それは子どもへ伝わって行くことになります。このように遺伝情報を核の中に保管し、次に確実に伝えるはたらきがあります。
 二つ目は、DNAが持っている遺伝情報は、いろいろなタンパク質分子を作る情報だということです。
 タンパク質というと卵とか筋肉を思い出すかもしれません。しかしタンパク質は、生物の体の構造と機能の全てに関わる、生命活動に重要な物質なのです。皮膚のコラーゲンや髪の毛のケラチン、筋肉を動かすアクチン、アミラーゼなど消化酵素を始めとする化学反応を進めるさまざまな酵素、インシュリンなど体を調節するホルモン、グロブリンなど体を守る抗体、酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビン・・・いろいろありますね!きっとあなたもどこかで聞いたことのある物質名だと思います。 これらのタンパク質分子は、20種類のアミノ酸がいろいろな順にたくさんつながってできてくるのです。アミノ酸の並び方や数がちがうと異なるタンパク質になります。どんなアミノ酸をどの順番で並べるかを決めているのが、DNAなのです。
 この複製とタンパク質合成のふたつの役割を果たすしくみが、DNAの分子のかたちに隠されているのです。DNAの分子の形は、展示の模型にあるように、はしごがねじれたような二重らせんの形をしています。はしごのたての材にあたるところ(模型では白い部分)には、糖とリン酸が交互に規則正しく並びます。はしごの横げたにあたるところには、両側から色のついたアクリル棒が出ています。このアクリル棒は、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)の4種類の塩基を表していて、まん中でふたつがつながります(水素結合)。この時、AにはT、CにはGが必ず結びつくというルールがあるのです。このルールがあるため、DNAを確実にコピーしていけるのです。
 タンパク質の合成のときには、RNA(リボ核酸)というDNAに似た物質が大活躍します。タンパク質の合成場所は、核の外のリボソームですが、DNAは核の外に出ることはできません。そこで、あるタンパク質を作る遺伝情報の部分だけをRNAがコピーして(「転写」といいます。)、核外のリボソームに行き、その情報を読み取って(「翻訳」といいます。)アミノ酸を並べて行き、タンパク質を作るのです。
 さあ、もう一度、DNAの模型を見上げてみてください。

 


【 参考資料 】

DNA誕生の謎に迫る!(2010)武村政春(ソフトバンククリエイティブ)
ケイン基礎生物学(2012)M.ケインら(東京化学同人)
生命のセントラルドグマ(2007)武村政春(講談社)
文 学芸員 尾坂知江子

 

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