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ポーズをとってみよう

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展示作品の狙い

床の足あとマークの上に立ってレベル1(初級)・レベル2(中級)・レベル3(上級)を選ぶと大きなスクリーンに見本のポーズが表示されます。
 ポーズについての注意を見て、同じポーズをとります。見本は順番に3種類表示され、4つ目にはスクリーンに向かって「礼」をする日本らしい終わり方になっています。
 最後に、3つの見本に合っていたか評価も表示されます(すばらしいExcellent(★3つ):金メダル、よくできました(★2つ):銀メダル、がんばったね(★1つ):銅メダル)。
 選んだレベルが1から3へ高くなると、筋力やバランス感覚が必要になってきます。各レベルの見本3種類すべてと同じポーズをとれるでしょうか。
 自分自身のからだを使う体験を楽しみながら、ヒトのからだや、バランスをとることにかかわる器官や組織について考えてみてください。
 展示の背面には、バランスをとることに関係する器官や組織について、イラスト付きの解説もあります。

 なお、うまく体験するためにはいくつか注意点があります。一度に体験できるのは2人までです。また、1つの足あとマークの上に立つのは1人だけにしてください。体験している人とスクリーンの間や周りに別の人がいるとうまく動作しない場合があるため、待っている人は左右の仕切りの外や足あとマークより後ろに離れてください。
 なお、服装の形や色などによっては姿勢が装置で読み取れず、うまく体験ができない場合があります。

知識プラスワン

【バランスをとるのに耳も関係しているの?】
 耳の中の「内耳」にある「前庭」は体の傾きを、3つの「半規管」が前後・左右・上下の動きを、さらに他の体の各部も体の状態をそれぞれ検知しています。これらの情報は中枢神経系(脳や脊髄)に送られます。
 中枢神経系からは体の各部へ状態に応じた命令が出され、各部では命令に対するはたきをしてバランスをとっています。

【静かにじっとしているとき、筋肉や骨は使われていないの?】
 体を動かさなくても、姿勢を保つために中枢神経系と筋肉や骨との間で命令や情報が伝えられています。そのためには、体の他の部分のはたらきもうまく行われる必要があります。どこかのはたらきがよくないと、動きに影響したり、感覚の違いにつながったりすることもあります。あなたのからだは、まるで団体競技のチームのように、すべての部分が協力しあっているのです。

【簡単なポーズでも人体のさまざまな場所がうまくはたらく】
 3つのレベルは、数字が大きいとポーズが難しくなります。
・レベル1:正面を向いて腕を伸ばしたポーズ
・レベル2:横を向き腕や下半身も使うポーズ
・レベル3:片足立ちや足を前後に開くなど、バランスをとることや下半身の筋力も必要なポーズ
 特に、レベル3ではバランス能力の評価や脚・腰の筋肉を強化するポーズを参考にしているため、見本通りの姿勢でしっかり静止するのは、ちょっと難しいと感じる人もいるかもしれません。
 この展示のように簡単なポーズで、判定がそれほど厳しくなく、動きも速くないものでも、人体のさまざまな場所の状態を調節していることが実感できるのではないでしょうか。
 オリンピックなどの大会で、もっと難しいことをしている運動競技の選手の場合はどうでしょうか?集中して力を発揮している瞬間の写真を見たことがあるでしょう。鍛えられた選手は簡単なことでも指先まで神経が行き届いた美しいポーズをとることができます。人体のさまざまな場所をうまく使えるようにトレーニングしているのです。

文:学芸員 堀内智子

 


【 参考資料 】

Newton別冊 人体図 (2015年) ニュートンプレス
人体のふしぎな話 365 (2014年) 坂井建雄 (ナツメ社)
解剖生理を面白く学ぶ (2008年) 増田敦子(医学芸術社)
改訂版 フォトサイエンス生物図録 (2007年)  数研出版
運動・からだ図解 脳・神経のしくみ (2016年) 石浦章一 (マイナビ出版)
脳のしくみ (2010年)  高木 繁治 (主婦の友社)
シリーズ感覚のふしぎ 第4回聴覚と平衡感覚のしくみ 2016年2月号 NEWTON
NEWTON別冊 感覚-驚異のしくみ (2016年) (ニュートンプレス)
マンガでわかる 人体のしくみ (2012年) 坂井建雄(監修) 沢田麻間(画) サイドランチ(画)(池田書店)
みんなの体操(1999年制定)

 

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