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展示ガイド

都市の防災

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展示作品の狙い

 人々が集まってくらしている都市では、さまざまな災害に対して、都市独特の危険があります。密集してくらすことは、ひとたび災害が起こったとき、多くの人に被害が及ぶということなのです。
 この展示品では、さまざまな災害のうち、とくに地震をとりあげ、地震による被害を少なくするための「免震」という工夫について、実験装置と映像で解説しています。

知識プラスワン

□世界一
 免震という技術は100年以上も前に考え出されました。しかし当時はまだ十分な技術がなかったため単なるアイディアでした。1970年代後半のフランスで初めて実用的な免震建物ができると、1983年には日本でも建設されるようになり、今では棟数では世界一だとのことです。これは日本では地震が多い、いわゆる「地震大国」であることが大きい理由でしょう。
□免震と耐震
 地震のゆれを建物に伝えない免震という考え方の他に、「耐震」と言って建物が揺れても壊れない、という考え方があります。建物の耐震性能は法律で決まっているのですが、その建物が建てられるときの法律の基準を満たせばよいことになっています。実は、法律はこれまでにも何度か改正されて、耐震基準がだんだんと厳しくなっています。つまり、古い建物は現在の耐震基準を満たしていないことがあるのです。そこで、古い建物に対してはあとから建物のまわりに鉄骨を組んで補強し、耐震性能を増すということも行われています。
□免震レトロフィット
 古い建物を免震構造にすることもできます。これを「免震レトロフィット」と呼びます。免震は大地と建物をいわば「切り離す」構造です。免震レトロフィットでは、既に建っている建物に免震装置を組み込むわけですが、このために一旦地面を掘り下げて建物の基礎とは別に仮の基礎を組み上げて、建物を持ち上げます。持ち上げながら古い基礎の部分を切り離して免震装置を組み込み、仮の基礎を取り除きます。
□名古屋市本庁舎
 名古屋市では、市役所本庁舎が2007年から2010年の約3年間にかけて免震レトロフィット工事を行いました。建物自体は1933年に建てられたもので、西洋風の本体に和風の屋根が載った独特の雰囲気を持っています。一見、古風な建物ですが、地震に関しては最新の免震構造を持っているというわけです。

 


【 参考資料 】

□参考資料
耐震・免震・制震のはなし(2008)斉藤 大樹(日刊工業新聞社)
□著者 学芸員 小塩哲朗

 

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