名古屋市科学館

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展示ガイド

虹をつくろう

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展示作品の狙い

 美しい虹がどのようにしてできるか興味をもってもらうことを狙った展示です。

知識プラスワン

【自然の虹は水滴がプリズムの役割】
 大気中に漂う水滴はほぼ球の形をしています。水滴の中に入った太陽光は屈折と反射を起こし、入射光線と約42度の角度で戻ってきます。そこで、太陽と正反対の方向を中心に42度の角をなす円周上に反射光が見えることになります。
 ところが、光の色によって屈折率が違うため、水滴も、プリズムと同じように、光を七色に分解してしまいます。結局、赤が外側、紫が内側になるよう光線が分かれて七色の帯を作りだします。
【人工虹はビーズがプリズムの役割】
 この現象を、模擬的にお見せするのがこの展示です。太陽の代わりにランプが入口上の天井に設置され、水滴の代わりに、直径0.3ミリの小さなプラスチックビーズが前方スクリーンに貼り付けてあります。
 それでは、どこに立つと虹が見えるか調べてみましょう。どの位置からでも虹が見えるわけではありません。立つ位置を変えて、試してみてください。
 次に、スクリーン下にある小型ランプを点灯して、スクリーンに虹を作ってみましょう。自然では絶対見ることができない虹を見ることができます。だって、光源の後ろから見るというのは、太陽ではできませんよね。
 片目だけでも見てみましょう。左目と右目とで見える虹の位置がずれていることに気がつきます。このため、両目で見ると、虹は立体的に浮かんだように見えます。
【自然の虹と人工の虹の違い】
 この部屋でつくる虹は、ランプの光とプラスチックビーズがつくる虹です。太陽の光と水滴がつくる自然界での虹と比べて、次の点が異なります。
 入射光線と水滴(ビース)で反射してくる光との角度が小さいため、小さな虹となります。(水滴なら42度、ビーズなら14から17度になるところに、虹が見えます。おかげで小さな部屋の中でも見えるわけです。)
 水滴は厚みを持って分布していますが、展示品ではビーズは一列に並んでいるだけです。
 太陽光は平行光線ですが、ランプは放射状なので、スクリーンに近づいても虹は消えません。すなわち虹に近づくことができます。

 


【 参考資料 】

参考資料
空の色と光の図鑑(1995年)斎藤文一・武田康男(草思社)
文 学芸員 西本昌司 イラスト渡辺美津子

 

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