名古屋市科学館

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飛び出す雲のリング

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展示作品の狙い

 空気の流れが作る不思議な渦のリング(渦輪)を観察してただく展示です。

知識プラスワン

 もわもわと雲のような白い空気があふれてきたら、展示物の上をポンと押してみましょう。雲がわき上がって、あれれリングを作ります。ゆっくり押すときと、早く押すときでは、リングが上昇する速度も違います。試してみましょう。
 渦のリング(輪)は突然激しい流れが起こるとできます。自然界ではなかなか見ることができませんが、火山噴火(写真2)、煙突から出る煙などで見られることがあります。お目にかかりたくはないですが、原水爆のキノコ雲も同様な現象です。一番身近なのは、たばこの煙を口から出して作るリングでしょう。現象としては起きていても、煙や湯気などがないと空気の流れは見えないので気がつかないのです。展示では、超音波加湿器のより細かい水滴を作って空気の流れが見えるようにしているのです。
 この実験は「空気砲」と呼ばれる実験として、自宅でも簡単にできます。段ボールで箱を作り、一カ所に丸く穴をあけます(写真3)。空気の流れが見えるように線香の煙をためてから、この段ボールをポンと叩いてやると、勢いよく煙のリングが直進します。体でこのリングをまともに受けるとその勢いがいかに強いかわかるでしょう。鳥や昆虫のはばたき(図2)やヘリコプターも、実はものすごい勢いで渦のリングを作っているのです。
写真1 飛び出す雲のリング(展示品)
写真2 阿蘇山の噴煙に見られた渦のリング
写真3 簡単に作れる空気砲で煙のリングを作ってみよう
図1 「雲のリング」(渦輪)ができる過程
図2 鳥がつくるリング

 


【 参考資料 】

参考資料
やまびこネットのサイトより「空気砲をつくろう」 (2006) 橋本利雄
http://www.j-muse.or.jp/tamatebako/kousaku/cb11/
「昆虫飛翔の物理」物性研究77, 447-507 (2001) 飯間 信
文 学芸員 西本昌司 イラスト 渡辺美津子

 

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