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星座を形づくる星々

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展示作品の狙い

 展示室のあちこちに輝く星が吊り下がっているのにお気づきでしょうか? これは、「北斗七星」、「カシオペア座」、「オリオン座」、「夏の大三角」を形作っている恒星です。しかし下から見上げただけでは、その並びには見えません。
 天文展示室の4箇所に、それぞれの対象を観察するための丸い覗き口(スコープ)が立ててあります。このスコープから眺めると、太陽系から見るのと同じ位置関係で見ることになり、それぞれの並びになって見えてきます。
 この展示では、星座を形作っている星々が、見る位置や方向によって並びが変わってしまうことや、同じように見えている星でも実際の距離がずいぶん違うことを紹介します。

知識プラスワン

【星までの距離と明るさ】
 同じ明るさの星でも、遠くにあれば暗く見え、近くにあれば明るく見えます。そこで星自体の本当の明るさを比較したいときは、同じ距離に並べたときの明るさに換算して比較します。夜空に見えているときの明るさを実視等級というのに対して、この比較用の明るさは絶対的な明るさであることから、絶対等級といい、比較するための距離は、地球から32.6光年にします。32.6光年は、一見中途半端な距離に思えますが、実は天文学者にとっては便利な数値です。
 まず星までの距離はとても遠いので、直接距離を測ることができません。そこで、地球が太陽の周囲を回ることにより半年間で動く距離である3億kmを基線として、星の位置のみかけの変化(角度:図中のθ)を測定します。この角度は距離が3.26光年の星で、1”(秒角:1度の3600分の1)になります。この角度が測定値になりますので、できるだけきりのいいところを基準の距離にしたいところです。ただし最も近いケンタウルス座のα(アルファ)星でも距離は4.3光年ですから、1”になる3.26光年では基準として近すぎです。そこでその10倍の32.6光年にしたのです。
 ちなみに私たちの太陽の絶対等級は5等級。夜空の中ではずいぶん控えめな星になります。

 


【 参考資料 】

参考資料
星がとびだす星座写真(2003)伊中明(技術評論社)
立体で見る〈星の本〉(1986)杉浦康平、北村正利(福音館書店)
文 学芸課 天文係

 

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