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常設展示フロア

理工館4階 展示品

ブラウン運動を見る  (英訳)Brownian Movement


外観写真

展示品作成のねらい

 展示品の正面にあるのは、ブラウン運動モデル実験装置です。手前にあるスイッチを押してみましょう。小さな鋼球が無秩序に動き、赤い円板にいろいろな方向から衝突します。この衝突によって赤い円板が不規則に動くのがわかるでしょう。赤い円板は微粒子を、小さな鋼球は液体や気体の分子を表しています。実験装置の鋼球が動くように、気体や液体の分子も、たえず熱運動をしています。そして赤い円板が不規則に動くように、気体中や液体中にある微粒子も、分子にたえず衝突されて不規則に運動します。このような微粒子の運動を「ブラウン運動」といいます。分子そのものを直接見ることはできませんが、顕微鏡で微粒子の動きを見ることによって、間接的に分子の存在を知ることができます。展示品の左手側では、水中でゆれ動く酸化チタンの微粒子を顕微鏡からテレビモニターに映し出しています。よく観察してみてください。

展示品写真

この展示品の動画

知識プラスワン

【ブラウン運動の発見】

 1827年、イギリスの植物学者ブラウンは、花粉を水のなかに入れて顕微鏡で観察していたところ、花粉からでた微粒子がたえず細かく不規則に動いていることに気づきました。最初は生物だから自分で動いているのだろうとブラウンは考えました。しかし、いろいろ調べてみて石の粉のように生命のないものでも、同じように動くことを発見しました。ブラウンはこの運動の原因を解明することはできませんでしたが、発見者の名前にちなんで「ブラウン運動」とよばれています。

【ブラウン運動によって、何がわかったか】

 結論からいいますと、ブラウン運動によって、分子が実在することが証明されました。

 19世紀末から20世紀初頭のころは、原子や分子は存在しない、と考えている科学者も多かったのです。原子や分子という概念としては使われていたのですが、それが現実に存在するという意味ではないと思われていました。

 しかし1905年、アインシュタインは、微粒子のまわりにある気体や液体の分子の運動が、ブラウン運動の原因と考え、数学的に解析しました。そして1908年にフランスのペランは、ブラウン運動を観測し、アインシュタインの理論が正しいことを証明しました。

 これにより、ようやく原子や分子の存在が信じられるようになったのです。


参考資料

岩波科学百科(1989年)(岩波書店)
原子・分子の発明発見物語(1983年)板倉聖宣(国土社)
思い違いの科学史(1978年)青木国夫他(朝日新聞社)

(生命館8階の情報資料室にありますので、ご利用ください。)

◎著者:
学芸員 石田恵子